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版画商に欠かせぬ三種の神器
私の画廊での稼ぎ頭は、なんといっても版画。油彩画はとても高価で扱えなくても、版画ならばレンブラントもデューラーも、ゴーギャンもピカソもマチスもカンディンスキーもジャコメッティも、なんとか扱える。たいていの西洋の巨匠たちは、油彩やドゥローイングだけではなく、版画も精力的に制作し、表現の一分野となっているのが心強い。
版画を扱う画廊の三種の神器といえば、まずカタログ・レゾネ。全作品を網羅し、タイトル・制作年・限定数・ステートなどを記録しているレゾネは、作品の素性を調べるために必要なもの。ピカソやミロなどは作品数が多いので、何巻にも分冊されている。また、編年体が多く、作品の変遷を知る上でも、非常に興味深いものである。新しいレゾネが出ると、私はマニアのごとく、すぐに購入する。時間が過ぎると入手困難になるし、古書になるとかえって値上がりしてしまう場合が多いから。
次なる必需品は各種拡大鏡。特にオールド・マスターといわれる版画になると、肉眼ではなかなか分からない細部を見なければならない。線が弱っていないか、くっきりと立っているか、刷りの良しあしはどうか。全体のコンディションや紙の具合はどうか、拡大鏡は大いに活躍する。
最後のひとつは、インターネット。一番必要なのは最新の価格情報だ。インターナショナルなマーケットに直結している作品ほど、刻々と変わる情報を常にキャッチ、仕入れと販売に反映させなければ、リーズナブルな対応ができない。特に版画は複数だから、異なる市場の価格を比較できるネットは便利な新しい神器といえる。
(ガレリア・グラフィカ)
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