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カタログの魅力と楽しみ
版画を扱う画廊は、よく販売のためのカタログを作る。日本の画廊はちらほらだが海外の画廊は頻繁に送ってくる。版画は複数あるので、少し古書に似ているところがある。探しているもの、好みのものを見つけ出すにはカタログが大いに役だつ。
どうも、私はカタログ好き人間のひとりのようだと自覚している。画廊のカタログはもちろんのこと、オークションや古書のカタログが届くと、すぐに封を開けて、いそいそと吟味する。自宅には下着から健康食品まで、ありとあらゆる通販カタログがくる。「頼んでもいないのに」とぶつくさいいながらも、つい見てしまい、あげくの果ては必要品でもないのに購入してしまう。ここが、カタログのつけ目なのだ。
というわけで、ただいま私も画廊のカタログを製作中。毎年秋に一冊、今年で13冊目。いまどきめずらしい白黒印刷だが、墨一色の銅版画や木版画は、これに限る。画廊のカタログは質の高い作品の品揃(しなぞろ)えが望ましいが、それだけでは退屈する。バラエティーも必要だ。そして、図柄も説明文も楽しいカタログにしたい。まず作品の素性や魅力、ちょっとした小話を掘りだして書く。贔屓目(ひいきめ)にならずにできるだけフェアで客観的になるよう、わが身をいさめながら。わずか300字ほどの短い文章なのに、小さい疑問が湧(わ)きおこると、解決までにまる一日かかってしまうこともある。でも、本やネットと格闘する過程で新しい発見もあり、寄り道もまたよし。
今年のわが画廊のカタログに掲載される作品はたったの32点だが、はたして楽しんでいただけるだろうか。
(ガレリア・グラフィカ)
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