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画廊は銀座文化の担い手
全国でも抜きんでて地価の高い銀座・京橋界隈(かいわい)に、骨董(こっとう)・ファインアート・コンテンポラリー・写真など、さまざまな画廊が350軒以上ある。たいていは中小、零細商店のはずなのに、ランニング・コストの高い銀座になぜ集中しているのだろうか。
昼は表通りに世界有数の超高級ブティックやデパートが華やぎ、夜はバーやクラブが密集したビルに無数の看板がきらめき、粋な小料理屋やビストロが活気づく。歌舞伎座あり、シネコンあり、銀座には昼から夜までお楽しみがいっぱい。
今では数少なくなったが、銀座遊びに慣れた紳士方がときおりみえる。いきつけのすし屋で早い夕べの一杯、芳香ただよわせてぶらりと画廊へ。気に入った作品があれば尚よし、画廊は大人の上等で心豊かなお楽しみのひとつなのだ。
銀座界隈に集中しているから、一日に何軒かの画廊をクルージングできる。美術愛好家たちは、たくさんの中から自分の好みの画廊を見つけ出す。ショッピングし、画廊を廻(まわ)り、作家や作品と出会う。そしていつの間にか、各々(おのおの)のお気に入りのコースが決まってくるようだ。誰かがこれを称して「画廊のけもの道」といった。いい得て妙である。
銀座のおかげで全国から人が集まり、画廊が成り立ち、またそれを目ざして愛好家が集い、ひるがえって銀座が賑(にぎ)わいを増す。画廊は銀座文化の輪の重要な担い手のひとりと思っていいだろう。
この界隈で画廊を始めてから36年目、私にとって銀座はすでにわが街。もうしばらくはこの地にいたいものだ。
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