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新橋駅から横須賀線で約1時間の神奈川県逗子市。日差しを受けて輝く海面を、黄緑色のセール(帆)をつけたボードが、水しぶきをあげて滑っていく。「天気が良くて気持ちいいね」と、伴義博さん(64)。日焼けした顔がほころぶ。キャリア7年の「セイラー」だ。
56歳の時、糖尿病の診断を受けたこともあって都内のコンピューター会社を早期退職した。「何か運動を」と探していて、ウインドサーフィンに出合った。週3回から5回、海岸近くの自宅から「会社員時代は散歩もしなかった」という浜へ出る。体重は約10キロ減り、血糖値も正常に戻った。
伴さんが籍を置く「逗子ウインドサーフスクール」で体験コースを受講した。ウエットスーツを着て、富永竜平さん(25)の指導を受ける。砂浜で少し予習をしたあと、海へ入る。まず横になったセールを起こす。波に浮かぶボードに立ち、マストの中ほどに付いたロープを引く。反対側に体重をかけるようにして引き上げるが、水をかぶったセールは重い。「あがった」と思ったら、体は勢い余って反対側の海の中へ。冷たい。
次は前に進む「走り出し」。ブームというバーを持ち、セールに入る風を調整する。ゆっくりとではあるが、前に進んでいく。10メートル、20メートル。「結構やれそう」と思った次の瞬間、バランスを崩して再び海中に沈んだ。
ウインドサーフィンは、風の強さ、向きに大きく左右されるスポーツだ。この日は風速4、5メートル。「バランスがとりにくく、初心者には厳しいコンディションです」と、校長の飯塚裕彦さん(41)が励ましてくれた。
体験コース受講者の半分は、継続的にレッスンを受ける会員になるという。会員約500人の半数が30代で、40代は3割、50代も1割いる。4分の1が女性だ。東京、埼玉など県外在住者が4割おり、道具をスクールなどに預けて、電車や車で通ってくる。
2週間後、再び海に出た。前回とはうって変わって風はほとんどなく、青空が広がった。ボードは静かな海面を進む。遠くの江の島を眺め、顔に暖かな日差しを感じる余裕もできた。飯塚さんの「初めは海の気持ち良さを感じてもらえれば」という言葉を実感する。
ウインドサーフィンは五輪種目にもなっているが、一般の愛好者にとっては「勝った、負けた」がないスポーツだ。伴さんは言う。「ぼくが、うわー、きょうも面白かったなぁ、と家に帰ってくるのがカミさんもうれしいみたいです。自分が楽しいのがすべて。それが魅力かな」
(大畠正吾)
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全身をフルに使って、風や波、太陽という自然を感じる体験は新鮮。開放感って、こういう感覚なんだ、と思った。
力はあまり必要ないということだったが、初心者は「海に落ちないように」と腕や足などに余分な力が入り、筋肉痛がつらかった。
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不安定なボードの上でセールを起こす作業は最初の関門だ
【用意するもの】
水着、運動靴、ウエットスーツ、ボードとセール(セットで17万円程度から。中古は約半額。レンタルは1日3000円程度)。
◆逗子ウインドサーフスクール 逗子市新宿1丁目(逗子駅、TEL0120・711173、http://www.j-wind.com/zushi/)。体験コースは午前10時〜午後1時、5000円(5時までは8000円)。
◆セイルボーダーズ江の島 神奈川県藤沢市片瀬海岸1丁目(片瀬江ノ島駅、TEL0466・27・8118、http://sailboarders.jp/enoshima/)。体験コースは午前9時半〜午後0時半。4000円。
◆ホワイトキャップ・ウインドサーフィンスクール 千葉市美浜区真砂2丁目(検見川浜駅、TEL0120・177533、http://www.whitecap.co.jp/)。体験コースは午前9時半〜午後4時半ごろ。4200円(平日1人の場合は7350円)。 ※各スクールとも料金は道具レンタル代を含む
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