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「話し方研究所」は、83年創設の民間会社。所属講師は約90人で、行政機関や企業の研修にも出向く。講師歴11年の長崎真紀子先生(56)も、月に8〜10回、全国を飛び回る。研究所で開かれる「話し方・聞き方講座」には、年300人ほどが受講するという。
講座は2日間で、1日5時間半。根底に流れるのは、「会話=コミュニケーション」という考えだ。講師は、受講生の会話に対する苦手意識をほぐしながら、会話のルールを伝えていく。
聞くことの大切さがテーマの講義。長崎先生は「会話は『話す』と『聞く』で一対のコミュニケーション。『聞く』は話を休む時間ではないんです」と説明した。受講生はペアを組み、故郷について1分間、話をすることに。ただし聞き手は、話し手と目を合わせず、あいづちを打ってはいけない。話し終わると、会場から「感じ悪〜い」の声が。相手に拒絶されているようで話に集中できないし、話の内容を考えるのも放棄したくなる。私も最後には、次の言葉が出なくなってしまった。その反対に、目を合わせ、うなずき、話す人の言葉を復唱する聞き方に変わると、共感してもらっているようで、安心感がわいてきた。
講義は説明、体験、実感、講師のまとめという形で進む。自分で気づき、理解した上で教わるから、納得しやすい感じだ。
一緒に受講したのは、20〜60代の男女約20人。関西から新幹線で来た人もいた。公務員や会社員、タクシー運転手、主婦などさまざま。中には「彼女に『話がつまらない』と言われて」という男性も。最初はシーンとしていた休憩時間も、徐々に受講生同士の会話でにぎやかになり、みんなの顔つきも柔らかくなった。
建設会社に勤める千葉県の永井悠さん(29)は、「これまで必要がなければ、あえて話しかけなかった。会話の楽しさがわかったから、今は話しかける方を選べる。半歩前に進めた」と話した。神奈川県職員の40代の男性は、「妻に『電気を消して』と言われると、『消そうと思っていた』と言い返していた。相手の言葉の復唱を実践したら、『いい感じ!』と言われた」と笑顔をみせた。
2日間の講義で、目に見えて話し上手になるわけではない。でも、会話に挑む姿勢が変わった。自分と相手は違うのだから、「わかってくれるだろう」という相手まかせの会話はダメ。言葉は短縮せず、ケチらずに一つ一つ丁寧に話すこと。取材先で実践すると、「それってどういう意味ですか」と取材相手に聞き返されなくなった。会話が、楽しくなってきた。
(秋山幸子)
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「欠点を指摘してもらった方が上達する」と、会話が苦手な受講生同士でフォローし合う、和やかな雰囲気がいい。
会話の楽しみを知るには、長年持ち続けた苦手意識をなくすこと。初めの一歩を踏み出すまでに勇気がいるかも。
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一対一で練習。快く要求を受け入れてもらう言い回しを身につける
【用意するもの】
筆記用具
◆話し方研究所 東京都文京区湯島3丁目(湯島駅、TEL03・3836・9211、http://www.hanashikata.co.jp)。基礎コースは、「説得」(10月14日、21日)、「スピーチ」(10月28日、11月11日)、「プレゼンテーション」(11月18日、25日)、「会話」「説明」(両コース来年2月開講予定)の五つ。コミュニケーションの目的に応じて、好きなコースを選択できる。1コース(土)2日間、午後1時半〜7時。1万7000円。申込金3000円(初回のみ)。
◆話し方のレベルアップ 実践編 東京・新宿の新宿住友ビル4階、朝日カルチャーセンター新宿教室(都庁前駅、TEL03・3344・1998、http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku)。講師はフリーアナウンサーの三上彩子さん。11月1日、15日、29日の(水)、午後7時〜8時半。1万1020円。
◆「あなたの話はなぜ『通じない』のか」 山田ズーニー著、筑摩書房、1470円。「初対面の人に話を聞いてもらいたい」といった悩みを抱える人に、コミュニケーション術を伝授。
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