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普段は入れない地下4階のけいこ場で、演劇を体感するワークショップ「デイ・イン・ザ・シアター」は開かれる。
ジーパン姿の学生や、ジャージー姿の高齢者と、年齢も格好も様々な老若男女が集まる。10月8日は、8人の参加者だった。男女は半々。男性陣は全員参加経験者で、始まる前から談笑していた。対して、女性陣は初参加者が大半だったので、どことなく緊張が伝わってくるようだった。
まずは「このフロア全体を自由に歩いて」。進行役の声を合図に動き出す。「次は目が合った人と会釈して」「あいさつして」「握手して」……。徐々にその内容もスキンシップが多くなる。次第に緊張が解け、足取りも気持ちも軽くなる。開始30分を過ぎるころにはもう、笑顔や笑い声が出てくるほどになっていた。
5人いる進行役は、普段は別々の演劇団体に属し、中には年に300回近くのワークショップを開く人や高校の非常勤講師をしている人も。毎月持ち回りでプログラムを考えたり、一緒に参加したりする。集まる人によってその雰囲気も面白さも変わってくるという。
6月の回のテーマは「雨」だった。1人ずつ画用紙にクレヨンで「雨にまつわる思い出」を描いた。円になってそれぞれの思い出と絵を披露したとき、最年長参加者の長沢みち子さん(91)が見せた絵は、亡くなった夫との相合い傘の思い出。
みんなで考えて演じてみた。セリフはどうする? 傘はどんな風に動いた方がいいかな? など試行錯誤を繰り返して作り出していく。「待った?」「今きたところだよ」−−みんなで場面を作り出していく中で、長沢さんは「いつの間にか、あの時のときめきと、しとしとと降る雨音を思いだした」と語った。ミュージカル女優にあこがれていた幼い頃からの夢の続きを、今体験してるようだ、という。
演劇体験でリフレッシュするという常連参加者の1人、今村昌弘さん(42)はコンピューターのシステム技術者だ。「普段の仕事で使うのは情報を処理する左脳。ここは想像力を働かせる右脳を使ってみんなで知恵を出し合い、何もない世界から作り出していけることが楽しい」と話す。
たった数時間前までは顔も存在さえも知らなかった人たちが、3時間で、以前から知っているような連帯感が生まれ、気持ちが温かくなる。これが「演劇」の魅力かもしれない。まさに「一期一会」という言葉をかみしめた。
(安孫子恵)
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最初は緊張するが、仲間と一緒に動いて、互いの意見を認め合い、一つの作品が出来たときは本当に楽しい。いつの間にか気持ちが明るくなっている。
初対面の人の前で、声を発するのは、ドキドキするもの。でも恥ずかしがると自分も周りもよけいに恥ずかしくなる。恥は早めに捨て去ること。
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「車」を表現。同じ題でもそれぞれ異なる。
(上)タイヤと運転手。(下)車の全体像を表現。
【用意するもの】
汚れてもいい服装・靴、「動きやすいこころ」
◆世田谷パブリックシアター 東京都世田谷区太子堂4丁目(三軒茶屋駅、TEL03・5432・1526、http://www.setagaya-ac.or.jp/sept)。
▼10月24日(火)、11月3日(金・祝)、6日(月)、午後7時半(3日は2時)など、毎月1〜2回開催。500円。各回定員20人。原則として、各日程の10日前までに申し込む。
▼11月16日(木)7時、「劇場ツアー」。劇場の舞台裏を見られる。500円。定員25人。要予約。詳細は問い合わせを。
◆朝日カルチャーセンター新宿教室 東京都新宿区西新宿2丁目(都庁前駅、TEL03・3344・1998、http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku)。25日(水)午後3時半、演出家・俳優の山口あきらさんが講師を務める演劇ワークショップ。50歳以上対象。3670円。定員25人。要予約。
◆「インプロゲーム−−身体表現の即興ワークショップ」 絹川友梨著、晩成書房、3150円。その場の状況・相手に柔軟に反応し、仲間と共通の場面やストーリーを作ることを楽しむインプロゲームを紹介。基本トレーニング、ウォーミングアップ・ゲームなど、幅広く楽しめる。
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