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この教室は、好きな花と花器を選んでいける回と、一つの課題に取り組む回が交互にある。訪ねた日は「線を使って面白く」というお題が出された。行李(こり)柳と真っ赤なダリアしか使えない。教室内からため息がもれた。指導は、広山流4代目家元の岡田広山さん(33)。
まずは水揚げ。花ばさみを使って茎を切る。枝を切るにはかなり力が必要だ。「生け花って、和服を着た、おしとやかなイメージがあるでしょ。でも違うのよ」と岡田さん。堅い枝ははさみに体重を乗せて切ったり、のこぎりを使ったりすることもあるという。なんとなく敷居が高いと感じていたが、そうでもないみたいだ。
この流派の特徴は「自然にいける」。だから花は太陽の方へ、枝の先端は天に向かっていけるように指導される。しかし、茎や枝の曲がり具合、葉っぱや枝の付き方、花の大きさ、開き方……どれもすべてが微妙に違い、どの花を使えばよいのか悩んでしまう。花や枝を刺す剣山が鑑賞するときに見えないように花や葉で隠せばいいのだが、こぶしほどのダリアは、ある程度傾けたところですぐに倒れてくる。繰り返すうちに刺した場所がいたみ、切り直して茎はどんどん短くなっていった。
大事なのは常に一歩下がって、全体像を何度も確認すること。だが、その度に位置を変えてみたくなる。一体どこで終わりにすればいいんだ?
家元が1本のダリアをぐーっと手前に引き寄せて花の位置を下げると全体の印象が大きく変わった。なんとなく落ち着いた感じがする。理由を聞くと「このダリアは頭が重いので、下げることで全体の重心が下がって安定した感じになるのです」。
他の人の作品を鑑賞するのも勉強だ。細長い花瓶を使って枝を横へ伸ばした作品や、長い枝を生かした背の高い作品と、同じ花材を使っても出来栄えが大きく違うのが面白い。
ここは家元教室ということもあって、生け花歴も年代も様々な人がやってくる。遠くは仙台や長野、静岡から通う人、先代のころから続けて47年になるという女性や会社帰りのOLもいる。
いけていくうちに、自然と手が止まるところがあるそうだ。それは花が一番きれいに見えるところ。習い始めて10年ぐらいという西村良子さん(60)が教えてくれた。「どこでも花が気になって、どうやったらその花のきれいなところを見せられるかを考えるようになる」。
そうだ、まずは道端で花を見つけて、立ち止まることから始めてみよう。
(岩田知久)
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初心者からベテランまで、レベルに関係なく楽しめる。すべてを忘れて没頭でき、ストレス解消にも。
使った花は家に持ち帰ってもう一度練習。男性の場合、花を抱えて電車に乗るのはかなり恥ずかしい。
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(写真上)必要な道具。左の花カッパは防水加工がされており、花材を持ち帰るときに使用する (写真下)ボケと松を使った家元・岡田広山さんの作品=広山流提供
【用意するもの】
花ばさみ、花カッパ、タオル、ノート
◆広山流本部 東京都世田谷区若林2丁目(若林駅、TEL03・3413・4162=(月)(水)(金)のみ、http://www.kozan-ryu-ikebana.net)。広山流を学べる教室やカルチャーセンターの紹介。1回2時間程度。受講料は3000〜5000円程度で教室によって異なる。使用した分の花代(1000〜1500円程度)が別途かかる。
◆各流派の教室紹介 日本いけばな芸術協会に加入する約360の流派から、地域や名前で検索できるホームページ(http://www.nihonikebana.or.jp)がある。
◆「お正月の花と飾り」(雅山社編、主婦の友インフォス情報社、1890円) 30流派が正月の花を競作した作例集。八つのテーマ別に約140作品を紹介する。
◆「はじめての池坊いけばな入門」(日本華道社編、講談社、1890円) 池坊いけばなの入門書。いけばなの基本や生花などの基礎知識を通して、花をいける楽しさを伝える。
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