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2006.12.21(木)更新  楽しみ学 ことはじめ
楽しみ学 ことはじめ
仕掛けは簡単。中里さん(左)の動きをお手本にしながら=東京都江戸川区で(撮影・佐藤朗)
楽しみ学 ことはじめ
 特技を聞かれるたびに、言葉につまってしまう。どうせなら「人を驚かせるのが大好き」という性格にあった特技を持ちたい。そこで思いついたのがマジック。忘年会や新年会で人が集まるこの季節なら、すぐ役立ちそう。マジックを学びに、東京都江戸川区で開かれる教室に向かった。
マジック
笑顔引き出し「ヤッタ」
 訪れたのは「魔法使いの発想術」入門講座。マジック歴28年の中里正紀さん(37)が、都内のコミュニティ会館などを借り、月に一回のペースで開いている。輪ゴムやティッシュといった、家庭や居酒屋にある日用品でできる即席マジックが学べる。
 教室ではまず、破った紙幣が元通りになる復活術や、相手の誕生日を当てる透視術など、この日に習う六つのマジックを中里さんが披露した。受講生は中里さんの一挙一動にくぎ付け。驚きの声と拍手。これができるようになるかとワクワクする。
 タネ明かしの後、ペアを組んで練習し、全員の前で発表――という流れで、計4時間。「拍手喝采をあびる快感や、人を喜ばせる楽しみを知るまでがカリキュラムです」と中里さんは言う。「タネを知った瞬間、『なあんだ』と思うもの。ワクワク感を大切にしたい」との思いから、学んだテクニックを紹介するのは控えるが、特別な技術はいらない。手首を返したり、紙を折ったりという簡単な動作が基本なので、小学生でも楽しめる。
 大変なのは、技術より話し方や演出だ。仕込んだタネから観客の視線をそらすために、話術を駆使しなければならない。最初に習った自己紹介で役立つマジックの場合、「割りばしにペンで正直者にしか見えない字を書きます。あれ、あなた見えないんですか!?」と面白おかしく話しつつ、ペンや割りばしを操る。隣に座っていた研修医の女性(27)も、手と口の同時進行に悪戦苦闘していた。
 中里さんは9歳の時、独学でマジックを始めた。大学時代はプロのマジシャンの助手、卒業後は手品用品メーカーに就職した。教室を開いたのは2年前。今は建築板ガラス業との二足のわらじで、労働組合や企業などへの出張講座も行っている。
 「マジックは、コミュニケーションの道具。短い時間で相手との距離をグッと縮められるんです」と話す中里さん。自転車で野宿旅をした20歳の時、マジックをすると、「うちに泊まっていきな」と地元の人が声を掛けてくれて、実感したそうだ。教室終了後、「早く家に帰って披露したい」と言っていた会社社長の合田陽一さん(39)は後で「家族のヒーローになれた」と中里さんに報告。税理士の栗原邦夫さん(41)と妻の夏子さん(39)は「マジックなら初対面の壁も崩せる」と満面の笑みだった。
 この講座の正式名称は、「笑顔を呼ぶ♪ コミュニケーションマジック教室」という。特技を披露したら、友達の笑顔がはじけた、なんてすてきだ。特技と言えるまで、練習しよう。
(秋山幸子)
悦楽  人が驚いた顔を見る喜びは格別。特別な道具や技術は必要ないので、子どもも高齢者も楽しめる。自己紹介をはじめ、演出次第でいろいろなシーンに使える。

悦楽  マジックを構成するのは、テクニックと話術。習い始めは手を動かすことに集中すると、口が止まってしまう。鏡の前で自分の動きを見ながら、練習するしかない。


楽しみ学 ことはじめ 楽しみ学 ことはじめ
 (写真上)和気あいあいと練習した
 (写真下)日用品がマジック道具になる
【用意するもの】
 ボールペンやティッシュ、割りばし、紙幣など身近にあるもの。

 マジック入門「笑顔を呼ぶ♪ コミュニケーションマジック教室vol.3」 2月4日(日)、午後2時〜6時。東京都江戸川区内(船堀駅)。5000円。18人。要予約。問い合わせ、申し込みはホームページから。魔法使いの発想術(http://www.magicle.com)。
 実践マジック入門 東京・西新宿の新宿住友ビル4階、朝日カルチャーセンター新宿教室(都庁前駅、TEL03・3344・1947)。2月8日、22日、3月8日、22日の(木)、午後6時半〜8時。講師はプロマジシャンのYOKOさん。4回で1万3020円。20人。要予約先着)。

 「DVD付き 華麗に決める本格マジック」(カズ・カタヤマ著、ナツメ社、1890円) イラストで手順とポイントを解説。初心者から上級者まで。

 マジックバー「都々’s Bar」 東京・銀座5丁目(TEL03・6253・7386)。マジシャンの都々さんらが、客席を回ってマジックを披露。ステージは、午後9時、11時と翌午前1時((土)はなし)。チャージ料3000円(午後8時まで2000円)。1ドリンク900円から。営業時間は、午後7時〜翌午前3時ごろ((土)は1時まで)。(日)、(祝)休み。


(2006年12月21日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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