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まずは、都内のホテルで開かれた試験を受けるための講習会へ。きき酒師の心得、日本酒の歴史、酒米や酵母の種類、醸造方法、セールスノウハウなど、盛りだくさんの内容だ。
興味深かったのが、料理との相性。日本酒は、貝類や魚卵などの生臭さを抑えてくれるという。発酵食品との相性もよく、豆腐などの淡い風味も消すこともない。コロッケやハンバーグなど、日本の食卓に並ぶ洋風の総菜ともなじむ。日本酒はほかのアルコールと比べて、どんな料理にも合う「懐の深い酒」なのだ。
きき酒の実技では、目の前に四つのグラスが並んだ。まずは色と質感を見る。一番左端の酒は水のように澄んでさらりとしている。一方、右端の酒は黄金色でトロッとした感じ。香りは、左端はフルーツのように華やか、右から2番目は米のとぎ汁のような印象だ。
最後に一口含んで舌の上に広げたら紙コップに吐き出す。味わい、余韻の長さ、鼻に抜ける香りなどを確認するのだ。酒を吐き出す習慣なんてないので、思わず飲み込んでしまいそうに。もったいないが、ゴクゴク飲んでしまっては繊細な違いは判別できない。この日用意された酒は、左から吟醸酒、普通酒、純米酒、古酒。同時に味わうことで、日本酒の香りや味わいにこれだけ違いがあるのかと気づく。
今回の講習会には、全国各地から300人以上が参加。都内の天ぷら屋で働く木戸口理賀子さん(37)は「料理に合うお酒や、おいしく飲める温度を聞かれることも多いので、きちんと学びたい」と挑戦した。
きき酒師は、基本的には飲食店や酒販店で働く「プロ」を育成するための資格だが、食への関心の高まりから、主婦やリタイア後の男性など、一般の受験者も3割近くに上る。「日本酒の奥深さを知ることで、旬の食材との相性を楽しむなど、日々の食生活が豊かになれば」と資格制度を運営する日本酒サービス研究会の島田憲一さん(38)。日本酒のすそ野を広げるのが目的のためか、合格率約7割と、比較的間口は広い。
酒の香りやうまみがより堪能できると、「燗酒」が静かなブームだ。燗酒と言っても、日向燗(30℃)、人肌燗(35℃)、ぬる燗(40℃)、上燗(45℃)、あつ燗(50℃)、飛び切り燗(55℃)と、微妙な温度の違いによって表現が奥ゆかしい。同じ酒でも温度によって味わいが変わるのは、数ある酒の中でも日本酒だけだ、と今回学んだ。
さて、今夜も「勉強」「勉強」。一献傾けよう。
(中津海麻子)
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試験は講習会の半月後に行われた。基礎知識の筆記、日本酒とそれに合う料理を提案する企画書の作成、きき酒の実技など。時間が足りずあわてたが、日ごろの「実践」が功を奏したのか、合格した。
講習会は1日だけだが、午前9時から午後6時までと長丁場。一般の人には難しい専門的な内容も多い。「授業」「試験」から遠のいている身にとっては、正直こたえた。
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酒の品質を判断するのもきき酒師の仕事。わざと劣化させた酒を体験する講習も
【用意するもの】
筆記用具
◆きき酒師講習会と認定試験 東京都港区芝2丁目の東京グランドホテル(芝公園駅)。講習会は2月2日(金)、3日(土)のいずれかに参加、受講料2万5000円。講習会を録画したVTRによる受講も(3万円)。認定試験は3月4日(日)、5日(月)のいずれかを受験、受験料1万5000円。問い合わせは日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(03・5390・0715、http://www.sakejapan.com)。
◆日本の酒情報館 東京都港区西新橋1丁目(霞ケ関駅、TEL03・3519・2091、http://www.japansake.or.jp/sake/information)。日本酒の様々な情報を発信するほか、イベントやセミナーも開催。販売酒のきき酒も(5種、有料)。午前10時〜午後6時、(土)(日)(祝)休み。
◆「名酒の殿堂」きき酒会 2月9日(金)、午後6時〜8時、東京都台東区上野1丁目のハクヨー(御徒町駅、TEL03・3833・8940、http://www.tctv.ne.jp/kitani)。酒造機械メーカーが日本酒の魅力を広めようと、30年ほど前から定期的に開催するきき酒会。4種のきき酒の後、15種ほどの酒を試飲。男性4000円、女性3500円、要予約。
◆「知識ゼロからの日本酒入門」「さらに極める日本酒味わい入門」 いずれも幻冬舎、各1260円。人気マンガ「夏子の酒」の著者、尾瀬あきらさんが、日本酒についてわかりやすく解説している。
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