白山は北陸線金沢駅の南南東約48キロ、石川県と岐阜県の県境に位置している。夏でも豊富な残雪で山々が白く輝くことが山名の由来といわれる。山頂は御前峰、大汝峰、剣が峰の三峰から成っている。最高峰は御前峰で2702メートル。717年、泰澄大師によって開山されたといわれる。富士山、立山と並んで日本三名山と称せられる信仰の山だ。
白山の魅力は、豊富な残雪に彩られるたおやかな山容。残雪が豊富ということは、お花畑がすばらしいということである。白馬岳と並ぶ本邦屈指の花の名山だ。
初めて白山に足をむけたのは、40代も半ばになってからだった。
登るんだったら花のきれいな7月中旬だよね、と仲間と語らって、池袋駅前から金沢行きの夜行バスに乗った。金沢からは夏山シーズンのみ運行されるバスが登山口の別当出合まで運んでくれる。
夜行での睡眠不足もあるので、1日目は比較的楽に登れる砂防新道コースで室堂に上がった。
室堂は標高2450メートル、頭の上に2702メートルの御前峰が大きく胸を張っている。室堂平はお花畑が点在しているから、夕食までのひとときを楽しく過ごせる。700人超を収容するという宿泊施設も、ベストシーズンの金、土などは超満員となる。
2日目の朝、ドーンと鳴り響く太鼓の音に目が覚める。日の出の1時間前、白山比刀iしらひめ)神社祈祷(きとう)殿の朝の合図だ。この時間に出発すれば山頂でご来光を拝めるかもしれない。ぼくたちは明るくなってから山頂へ。登山道の足元にはミヤマクロユリやハクサンフウロが咲いている。足取りも軽く頂上に立つ。展望は360度。南側目の下には室堂平、そのむこうに別山が浮かぶ。東側に目をやれば、北アルプスの峰が連なっている。帰りは、釈迦新道を下る。登山者が少なくなり花が増える。市ノ瀬に下り、白山温泉にザブーンと飛び込んだ。
釈迦新道は長丁場なので、一般的には観光新道を登って室堂泊、下山に砂防新道コースがお薦めである。別当出合から観光新道を登って室堂まで6時間、山頂まで登り50分、下り35分、砂防新道を下って別当出合まで3時間30分を見込んでおく。