東京で生まれ育った自分は知らなかったが、愛宕山(あたごやま)は比叡山と並び称され、唐の五台山にもなぞらえられる名山といわれるらしい。京都から選ぶ新百名山は迷わず愛宕山とした。
比叡山が京の東に連なっているのに対し、愛宕山は西、JR京都駅の北西約14キロに位置している。山頂に愛宕神社が鎮座している。
愛宕神社は火伏せの神を祀(まつ)っていることで知られている。この山の千日詣(まいり)は有名だ。毎年7月31日の深夜から8月1日にかけて山頂の神社にお参りすると千日分のご利益があるという。
昨年、京都高島屋のアウトドアコーナーでトークショーを開催した。閉会後の歓談で、千日詣の話が出た。毎年、総務課の社員が、愛宕神社に参拝して、火伏せのお札などをいただいて帰る。これが、恒例になっているそうだ。ショーの担当者も新人の頃、愛宕山に登らされたという。「足がつっちゃって参りました」という話をしてくれた。
愛宕神社は、生活に密着する神社なので、分社が全国に800社余り散在するという。その総本山がこの山。同名の山も数多い。
昨年は台風が多かった。昨年10月、和歌山県での講演会後、翌日から熊野古道を歩く計画が、台風直撃の予報で前日に中止となった。思いがけず3日間の休日ができた。カミさんと下の息子を誘って台風の進路からはずれている愛宕山に登ることにした。
9日夕方、京都駅近くのホテルに入る。翌日、駅前からバスに乗って清滝へ。渡猿橋を渡った先の鳥居が表参道の登山口だ。
休日とあって登山者が多い。清滝バス停から2時間30分ほどの「水尾の別れ」で休憩した。その後、総門をくぐり正面の階段を上りきれば約50分で山頂、愛宕神社だ。「火迺要慎(ひのようじん)」のお札をいただかねばなるまい。山頂からは、京都市街が眺められる。
下山は月輪寺を経由して清滝バス停へ戻った。2時間50分ほどである。バスを途中下車して嵯峨散歩、渡月橋を渡ってみる。駅近くのホテルにもう一泊し、3日目は金閣寺など有名所をまわって、昼過ぎ東京行きの新幹線に乗った。