根子岳(ねこだけ)、高岳、中岳、杵島岳(きしまだけ)、烏帽子岳(えぼしだけ)、以上の山々が阿蘇五岳と呼ばれるいわゆる阿蘇山。世界に知られる陥没カルデラの複式火山だ。火山活動で生まれた火口が、その後陥没、その中に新しく火山が出来た。旧火口壁は外輪山、新しい火山は中央火口丘という。阿蘇五岳は中央火口丘だ。
外輪山と中央火口丘の間を火口原というが、世界有数のカルデラであるから、スケールは雄大。東西16キロ、南北24キロ、周囲120キロに及ぶそうだ。新日本百名山として選ぶのに不足はあるまい。
五岳の最高峰は1592メートルの高岳。初めてのときは西側からアプローチした。砂千里が浜を横切ってもろい火口壁を登った。噴煙がこちらへたなびいていて息苦しいくらいだった。高岳に登って往路を引き返した。
次のときは北側からアプローチした。ミヤマキリシマが見頃だったので、道路が大渋滞であった。急な岩尾根である仙酔尾根を登り、中岳を経てロープウエーの下を歩いて仙酔峡に戻った。仙酔尾根は岩尾根といっても、バランスを崩したり、けつまづいたりしなければ問題なしのコースである。登山口から約3時間、高岳頂上に立てば360度の眺望。雄大な大火口原と、万里の長城のような外輪山。東側に祖母山、北東側には久住山を含む九重山系を望むことができた。
還暦の今年、4月21日に登山教室のパーティーと、阿蘇・高岳をめざした。前回と同じコースをたどる予定だったが、当時、火山活動の活発化で、中岳周辺への立ち入りは規制中。ロープウエーも運行を中止していた。予定を変更して、仙酔尾根から高岳の往復登山とする。風が強い。危険を感じたら引き返す旨を伝えて出発。尾根上に出ると数人のパーティーが下ってきた。風が強いので登山を断念したという。
高度が上がるにつれて岩尾根の傾斜は急になり、風はさらに強くなる。30分も登ったところで、登山を断念した。ここまでがんばったので、全員一致でハナマル登山ということになった。
仙酔峡で待っていたバスでこの日の宿、休暇村南阿蘇にむかった。夕食のとき、ハナマル登山を祝ってくれるかのように西の空がバラ色に輝いていた。