映画「私立探偵 濱マイク」を手がけた林海象(かいぞう)監督の新作は、所属する探偵を5で始まる3ケタの番号で呼ぶ名門、「探偵事務所5″」が舞台。成宮は、コードネーム「591」として、黒縁メガネに黒のスーツと帽子を身にまとい、事件へ果敢に挑む新米探偵を演じる。
「監督の世界観は、現代的でファンタジック」と言うとおり、映画の時代設定は現代だが、昭和初期を思わせるレトロな事務所に、ハイテク機能搭載の「探偵七つ道具」が登場するなど、過去と未来、夢と現実が混在する独特な世界。「そこへ初めて飛び込む感じは、『591』も映画の観客も一緒だと思ったんです」。観客と同じ目線で、探偵の世界に驚き、事件の謎に困惑しながら追跡を試みる。気付けば591が抱く様々な感情にシンクロしながら、映画の世界へ引き込まれていく。
「探偵のイメージは、かっこいい、ミステリアス、完璧!でも『591』は、一生懸命だけど先輩のように仕事も考え方もスマートじゃない。ただ、それは若さゆえに視野が狭いだけ」。そう語る本人も、少し前まで似た感覚があったという。「こうと決めてやったのに、後で反省してみたり。今は自分で正しいと思うことも、他人から見たら間違っていることもある、と気付けるようになりました」。
器用じゃないので、と端正な顔がはにかむ。好奇心旺盛で真摯(しんし)な目の中に、少しずつ大人の男性へ向かう姿が感じられた。