2年前、がんのため38歳の若さで亡くなったプロウインドサーファー・飯島夏樹さんの半生を映画化した「Life 天国で君に逢えたら」で、飯島さんを演じる。
35歳でがんと診断された飯島さんは、うつ病とパニック障害にも苦しむが、家族や友人の支えで乗り越える。映画では、死を目前にしても前向きに生きる姿、夫を献身的に支え続けた妻や子どもたちとの心の交流が、温かく感動的に描かれる。
架空の人物ではなく、実在した人物を演じることに日々緊張した。毎日、毎シーン、毎カットごとに「本当にこれでいいのか」、答えは出ないものの、いつも頭の中で問い続けながら撮影にのぞんだ。
病気と向き合うことで初めて気付くことの大きさ――家族の素晴らしさ、生きていることの意味、タイムリミットまでの間に何が残せるのか。「こんな風に死と向き合った人がいたということを伝えたい。そして、自分の家族を振り返ったり、自分だったらどうするのか、何か感じてもらえたら」と語る。
自分が演じる役にはこだわらない。それよりも、出演作のテーマ、込められているメッセージにこだわる。そして、邦画ならではの製作の意義をいつも考えている。「作品を通じて、見る人の心の中のどこに入っていくか、それが大事だと思うんです」と力を込める。明るくざっくばらんな人当たりの中に、揺るぎない筋を持っている。
(加賀美 藍)