NHKの長寿番組「きょうの料理」で紹介する料理の食材や調味料の分量がこれまでの4人分から2人分に変更されました。少子化や残飯の問題を料理に反映させたそうです。
何と寂しく、何と夢のない現実でしょう。核家族化、個食化が進み、同じテーブルで、同じ時間に、同じ顔ぶれで、同じものを頂くことが難しくなっています。家庭料理もコンビニの総菜も区別がつかないほど、小さなパックや小皿に1、2人分盛られています。確かに食べ物の無駄は減ったかもしれませんが、食の喜びも同時になくなっている気がします。料理を作るとき、少しでも多くの人に、たくさんの量を食べて喜んでもらいたいという気持ちが働きます。すると、分量も多め、多めになりがちです。料理の醍醐味(だいごみ)の一つにダイナミズムがあります。
食卓にはいつも食べきれないほど大盛りの皿が並びました。暗くて狭い台所で我を忘れて料理し、たらふく食べてもらいたいと願う母。それに応えて、山盛り食べる子どもたち。子どもが例え1人になろうと、その気持ちに変わりないはずです。数量に縛られず、たくさんおいしい料理を作ろうではありませんか。残ったら? 明日もあるさ。ご近所もあるさ。「お裾(すそ)分け」。いい言葉です。決して残りものではありません。恥ずかしながらも、ちょっと自慢げに。
料理がダイナミックだと人間も大きくなるような気がします。