asahi-mullion.comのロゴ
■トップページ ■サイトマップ ■検索ページ ■美の経済学バックナンバー

美の経済学タイトル
増やせ入場者 新戦略さまざま
 今年の正月は2日に、上野の東京国立博物館に行ってみた。猿のお面がついた「博物館に初もうで」というポスターを目にしたからだ。正門を入るとすぐ、池の手前で威勢のよい和太鼓の演奏があり、その後は猿まわしだ。このお猿さん、いくら仕事とはいえ新年早々はしゃぐ気になれなかったのか、ちょっと元気がなかったが、それでもお天気に恵まれて、こちらも華やいだ気分になった。1月3日は筝曲演奏、4日は獅子舞、さらに新春落語会も開かれたと聞く。

 この博物館もずいぶん変わったものだと内心思う。10年ほど前までは、暗くてダサく、そのうえ旧帝室博物館ということを鼻にかけ、どことなく威張っていた。それがいまでは来館者サービスに徹している。その原因のひとつは、約3年前に国立の美術館・博物館が独立行政法人に移行し、採算性が重視されるようになったことにある。そのためには入場者をふやさなければならない。支持層を広げる必要がある。昨年秋には「煌(きらめ)きのダイヤモンド」なる展覧会を開催し、ご婦人方の人気を博した。これも新戦略の一環なのだろう。

猿舞座の出し物に喜ぶ人々
猿舞座の出し物に喜ぶ人々=1月2日、東京国立博物館正門内池前で
 これまで日本の国公立の美術館・博物館に経営という意識が希薄だったことを思えば、これは大きな前進である。「メトロポリタン美術館を経営することはゼネラル・モーターズを経営することと同じだ」という同美術館ホービング前館長のことばも現実味をおびてくる。われわれも、お猿さんも、今年は頑張らなくてはならない。反省!

(横浜美術館館長 雪山行二)

〜2004年1月22日付 朝日新聞(東京本社)夕刊「マリオン」から〜

《バックナンバー》

asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ
 
 このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

 朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
 〒104-8011 朝日マリオン21・マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
 Eメールは mullion-ppr@asahi.com

 asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
 Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.