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資金調達の「顔」 イケメン館長
 欧米の美術館の館長には、本当はどんな経歴の持ち主なのか探ってみたくなるような、ハンサムでチャーミングな男が少なくない。話題も豊富で、相手を退屈させない。皆なかなかの役者だ。それにひきかえ、わが国の美術館長には、私を含めモソモソしたおじさんが多い。それはなぜか。

 メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館(MOMA)など、アメリカの美術館の大半は民間経営である。例外的にワシントン・ナショナル・ギャラリーのような国立美術館もあるが、その場合でも美術品の購入などは個人や企業からの寄付金に頼っている。一方、ヨーロッパの美術館は大部分が国公立であるとはいえ、近ごろは独立行政法人に移行したところも多く、これも活発な資金調達活動を展開している。民間から金を集めるにせよ、政府・自治体から予算を取ってくるにせよ、美術館はその存在意義を社会に向かって絶えずアピールする必要がある。館長はそのための「顔」であり、セールスマンなのだ。いざとなれば大富豪の未亡人(朝日新聞ではこの言葉は使われていないようだが)のところに飛んでいって、美術品やお金をまき上げてくることも辞さない。モソモソしたおじさんではとても務まらない。

メトロポリタン美術館
メトロポリタン美術館ではニューヨーク市の負担は年間予算の1割程度という
 わが国の美術館は大きな曲がり角に立っている。生き残るためには経営を強化しなければならない。館長のタイプも少しずつ変わっていくだろう。私は草葉のかげから拝見することにしたい。

(横浜美術館館長 雪山行二)

〜2004年1月29日付 朝日新聞(東京本社)夕刊「マリオン」から〜

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