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企画展に絡み地域も活性化
 横浜美術館のある「みなとみらい21地区」にはいくつかホテルがある。夜、美術館を出て桜木町駅に向かう途中窓のあかりを数える。不況とはいえ、どのホテルも健闘している。それでも支配人の話では、毎年、正月明けから2月中はどうしても客の数が落ち込むとのことである。

 いま横浜美術館では「東山魁夷展−−ひとすじの道」が開催され、連日大勢の東山ファンでにぎわっている。東山ファンといえばどちらかといえば年配の人が多い。先日、来館者を対象としたアンケートを見ていたら、103歳の男性がいて驚いた。客の年齢が比較的高く、その上熱烈な東山ファンが多いためか、図録や物品の売れ行きがすごく良い。数十万円もする複製画がどんどん売れる。

みなとみらい21地区
横浜の観光スポットとしても人気のみなとみらい21地区には、ホテルをはじめ多くの商業施設が立ち並ぶ
 ホテル側も特にこの時期であるだけに並々ならぬ努力を払っている。「東山魁夷展記念特別メニュー、初釜ミニ茶懐石」とか「アート懐石−−東山魁夷を味わう」とか。「アート懐石」と観覧券を組み合わせた宿泊プランもある。一方、美術館のレストランにも特別メニューが加わり、「白夜光」というオードブルや「濤声(とうせい)」という肉料理まで出る。

 美術館は単体として見る限り、経営は常に赤字だ。横浜美術館の場合、特に光熱費に金がかかる上に非収益部門が多いことも重なって、収入は総支出の1割にも達しない。しかし、ホテル、レストランのみならず地域経済のなかで果たしている役割は決して小さくない。このことはどうか正しく評価して欲しい。

(横浜美術館館長 雪山行二)

〜2004年2月5日付 朝日新聞(東京本社)夕刊「マリオン」から〜

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