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観覧料の配分 今も続く攻防
 だいぶ前のことだが、私が上野の国立西洋美術館にいたころ、某新聞社の展覧会担当部署の人にこんなことを言われた。「美術館は神社のようなものだ。オレたちがワタ飴屋や金魚すくいを集めてお祭りをしてやっているから賽(さい)銭箱にもお金が入るのだ」。私も若かったのでムッとしたが、どこか当を得た比喩(ひゆ)だと思った。

 国立の美術館・博物館の展覧会予算は少ない。国立西洋美術館の場合、特別料金を取る展覧会はふつう年3回開催しているが、そのなかで自前の展覧会は1本だけ。やや玄人向けの内容をもつ、比較的金のかからない展覧会だ。観覧料は大人ひとり800円少々。ほかの2本は新聞社・テレビ局を共催者とする、巨額の金をかけた展覧会だ。原則として経費は全額共催者が負担する。こちらは観覧料が通常1300円。そのうち420円が、以前は国庫に、現在は独立行政法人の財布に入り、残りはすべて新聞社・テレビ局のものとなる。

国立の美術館(イメージ)
国立の美術館・博物館の展覧会予算は一般的に少ない
 420円とは国立の美術館・博物館の常設展観覧料(消費税込み)に当たる。特別展を見る人は、見ても見なくても常設展の観覧料を払わされていることになる。悪代官がピンハネするようなものだと批判する共催者もいる。その背景には大規模展開催のコストの高騰がある。しかし国立の美術館・博物館としては、この金が入らなければやっていけない。一番困るのは国の側だろう。この攻防戦、近ごろまた再燃したと聞く。ところで神社のお祭りはどんな仕組みになっているのだろうか。

(横浜美術館館長 雪山行二)

〜2004年2月19日付 朝日新聞(東京本社)夕刊「マリオン」から〜

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