先週の火曜日、2月24日、横浜美術館で開催されていた「東山魁夷展−−ひとすじの道」が終了した。入場者は、1月4日の開会式の出席者を含めて24万8000余人。これは私の予想を10万ほど上まわる数字だった。
「国民的画家」と呼ばれた東山魁夷が90歳で没してからはや5年。熱烈な東山ファンが大勢いることは過去の展覧会実績からわかっているつもりだったが、皆さん高齢化しているので、冬のさなか外出を控えるのではないかとふんでいた。ところが今年は異例の暖冬。ポカポカ陽気に恵まれ、会期中雨が降ったのは2回だけ。来館者のなかには、車いすの、あるいはつえを手にした年配の男性の姿が目についた。熊本から飛んできてくれた老婦人もいた。この人たちが東山ファンの核なのだろう。
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| 展覧会最終日、横浜美術館前には朝から行列が続いた |
入場者がふえたもうひとつの原因は、2月1日の地下鉄みなとみらい線の開通である。横浜美術館で「東山魁夷展」を見たあとは元町・中華街へというのが、奥様方のお決まりのコースであった。
われわれの見通しの甘さから、お客様にはずいぶんご迷惑をおかけした。1時間半も外で待たされたあげく、会場内に入ったら人の頭しか見えなかったという苦情が殺到した。「美の経済学」の読者からもいろいろご批判をちょうだいした。「この混雑なんとかしてよ。朝日に連載記事なんか書いているときじゃないでしょ!」等々。早速、次の大型展に向けて対策を立てている。この場を借りておわび申し上げたい。反省!
(横浜美術館館長 雪山行二)