先月下旬、3泊5日の駆け足旅行であったが、10年ぶりにパリに行った。ルーブルとオルセーをのぞいてみたら、10年前を大幅に上回る観覧者であふれかえっていた。両美術館とも毎年いろいろ企画展を開催しているが、その入りのいかんも大勢にはほとんど影響しないと聞く。年間入場者は、ルーブルの場合570万人(2002年)に達している。まことにうらやましい限りだ。
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| レオナルド・ダビンチ「モナ・リザ」1503年〜06年、ルーブル美術館蔵 |
ルーブル、オルセーと比較するのも愚かであるが、平成15年度の横浜美術館の入場者総数は64万人。この数字は決して少なくない。ただし、企画展を見たあと、じっくりにせよ、さっとにせよ、当館のコレクションも見た人は2回カウントしている。15年度の企画展は「東山魁夷展」を含めて4本。その入場者数は計31万人。コレクション展だけを見にきた人は2万2000人にとどまった。「東山魁夷展」のような大型企画展がなかった平成14年度の入場者総数が37万人弱であったことを見れば、当館の入場者数が企画展の入り具合にいかに大きく左右されているか、一目瞭然(りょうぜん)である。
さて、ルーブルの超目玉作品「モナ・リザ」の前は、観光客や生徒たちの団体で埋めつくされていた。10年前との違いは、皆デジカメを高くさしのばし、頭上のスクリーンを見上げながらパチパチとシャッターを押していることだ。そろそろ500歳を迎えるはずの「モナ・リザ」は、ほほ笑みの下で世の移り変わりをどう思っているのだろうか。
(横浜美術館館長 雪山行二)