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業界に影響必至 国立の新美術館
 先日、東京・六本木の森美術館に行ったついでに、52階の展望台をのぞいてみた。北西側から見おろすと、建設中の「国立新美術館」(昨年6月までは仮称ナショナル・ギャラリー)が目にとまった。ここからでは大きさはよく分からないが、2000平方メートルの展示室が七つもあるという。巨大な美術館であるに違いない。ちなみに横浜美術館の展示室は全部合わせても約3000平方メートルである。この新美術館が07年の春に開館すると、首都圏の美術展業界に大きな影響が出るものと予想される。

国立新美術館外観予想図
六本木に開館予定の「国立新美術館」外観予想図
 「国立新美術館」は上野の東京都美術館と同様、所蔵品を一切もたない。七つの展示室のうち五つは団体展専用となる。美術団体にとって気になるのは、上野に比べて使用料がどれだけ上がるかということだろう。私が関心をもつのは、残る2室で年に合計8本開催されるという大型企画展である。そのうちの数本は自前の展覧会を考えているようだが、文化庁が付ける予算には限りがある。多くは新聞社・テレビ局の企画と財布に頼らざるを得ないだろう。それにしてもわずか6人の学芸員でこれだけの仕事をこなすのは至難の業だ。

 横浜美術館も時折、新聞社・テレビ局から大型企画展を共同主催しないかという提案を受ける。開催時期はすべて06年以前である。07年以降、この種の展覧会は、東京国立博物館と国立西洋美術館を除けば、ほとんどすべてこの新美術館に集中するだろう。横浜はカヤの外かな。

(横浜美術館館長 雪山行二)

〜2004年5月20日付 朝日新聞(東京本社)夕刊「マリオン」から〜

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