一昨年の4月、名古屋から横浜に来て何よりも驚いたのは、横浜ではひっきりなしに派手なイベントが打たれていることだ。特にあの年は4月早々「横浜赤レンガ倉庫」と「横浜にぎわい座」がオープンし、6月にはワールドカップの決勝戦まで行われた。なるほど、横浜は本当に夢を売って生きているまちだと思った。「モノづくり」の伝統がある名古屋など愛知県では、夢は売りものにはならないという意識が強い。「アートでまちおこし」などという言葉とはまるで縁のない土地柄だ。
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| 横浜赤レンガ倉庫2号館。近くの1号館は、3年ごとに開催の美術展「横浜トリエンナーレ」(01年)で会場の一つとなった |
横浜は人口約350万、わが国第2の大都市である。だが市民の多くは東京に顔を向けて暮らしている。とりわけ東急田園都市線の住民にとっては、「みなとみらい地区」や元町・中華街に行くよりも渋谷に出る方が早くて安い。横浜でふだん目につく産業といえば観光と港湾ぐらいか。有名企業で横浜に本社をおく会社は本当に少ない。ハマっ子には、何もしないと東京にのみ込まれてしまうという恐怖感がある。だから、たとえカラ元気でも人目をひく行動をとらなければならない。よく分かる。
会場が決まらず迷走していた第2回横浜トリエンナーレも、予定より1年遅れて来年の9月半ばから約3カ月間、山下埠頭(ふとう)の倉庫をメーン会場として開催されることが決まった。世界にはトリエンナーレ、ビエンナーレのたぐいは山ほどある。そのなかで、後発の横浜トリエンナーレをどうしたら際立たせることができるのか、むずかしい課題である。
(横浜美術館館長 雪山行二)