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2008.6.5(木)更新  大谷由里子のココロの元気

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  視点広げる3役会議

 人の数だけ問題は、起きる。大切なのは、問題が起きた時に、「なんでだろう?」と、原因を想像して、「どのようにしたら、解決できるか……」と、考える力を持っていること。

 27歳で初めて企画会社を立ち上げた時は、人の問題のオンパレードだった。必死で育てた社員が、「もっといい会社が見つかりました」と辞めていったり、パートの女性に必死で仕事を教えていたら、「私、パートなんで、そんなにしゃかりきに仕事を教えられても困ります」と言われたり。また、無断欠勤をした20歳のバイトを怒ったら、「1人くらい休んでも、回るようにしておくのが会社でしょ」と開き直られた。何回も、「もう、会社なんて閉じてやる!」と思った。

 そして「親が悪い」「会社が悪い」と、他人のせいにしていた。そんな人間に人がついて来るはずもないのに、それにも気づかず「社員と社長は分かり合えない」と、開き直ったりもした。

 それでも「何とかならないかなあ」と考えていた私は、「研修」に参加。最初は社員を参加させるための下見だった。ところが終わってみて気づいたのは、「間違っていたのは、自分の方だった」ということ。いろんな人の立場から物事を考えるという単純な視点に、ハッとさせられた。

 社員が私の言うことを聞かないのじゃなく、私が社員の言うことを聞いていなかった。自分の価値観ばかり押し付けて、社員の意見を聴く耳を持っていない。そんなことを思い知らされた。

 私は、今、人の問題にぶつかった時は、必ず1人で3役会議をする。「私の言い分は……」「でも、彼女の言い分は……」「それを見ている第三者からすれば……」と、勝手に妄想してみる。すると、「あれっ、私間違ってたかなあ」なんて気づくことも。人の問題を楽しく解決できると、その「気づき」は一生の財産になる。

題字・イラスト ながた かず

 大谷由里子/1963年、奈良県生まれ。吉本興業マネージャーを経て、人材活性プロデューサー。「笑い」を取り入れた人材育成が話題に。
 
(2008年6月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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