越せない山はない!
私は研修をしたくて研修の会社を作ったわけでもなければ、先生がしたいわけでもない。1人でも多くの人に思いを伝えたくて、講師という立場で話をさせてもらっている。
その思いとは、「苦労や不幸がない人生なんて絶対にないし、幸せだけの人生もない。でも、苦労=不幸でもなければ、不幸だけの人生もない。どんな人の人生にも、絶対に山がある。それでも、『死』以外に越えられない山はない。だからこそ、山を少しでも楽に越えられるように、ココロの持ち方や考え方を学ぼうよ」ということ。
子どもが2歳にならないうちから仕事を始めた私は、夫をはじめ、いろんな人から責められた。「子どもが非行に走ったら、あなたのせいよ」と言われ、子どもに向かって「お母さんが家にいなくてかわいそう」と言う人もいた。それでも、笑ってゴキゲンに仕事するふりをしていたら、世の中にはそれさえ気に入らない人がいっぱいいた。大きな仕事が決まれば「『女』を使って仕事を取っている」、若い子たちと仕事すれば「若いツバメがいるらしい」と噂(うわさ)された。その上、ご丁寧に家族や取引先に告げ口してくれる人も。
その時は苦しかったけれど、もっとつらいこともいっぱい出てきた。数百万の未収で資金繰りに困ったり、阪神・淡路大震災で売り上げをなくしたり。一緒に働いていた友人の自殺や、部下の突然の失跡、離婚など、山の向こうは山だらけ。
不幸なのは自分だけだと思っていた。でも、いろんな人に会ううちに、みんな多かれ少なかれ、山を越えようと必死に生きているのが分かった。だったら1人で悩まずに、みんなで山を越えようよ。できれば、平和な時に山を越える技術を持とうよ。それを伝えたくて、5年前から本格的に研修の仕事を始めた。声を大にして伝えたい。「越えられない山はないよ!」
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| 題字・イラスト ながた かず |