逃げない自分になる
吉本興業の社員時代、毎年、何百人ものタレント志望のメンバーに出会った。ところが、生活できるようになるだけでもごく少数、売れるとなるとその中の1人か2人いたらいいほう。大抵は、舞台に数回立って終わった。
企画会社の社長となって、今度は、山ほど「デザイナーになりたい」「ディレクターになりたい」「編集者になりたい」という社員を採用、けれど、ほとんどのメンバーは、アシスタントも続かずに会社を辞めることに。
そして今、「講師になりたい」「コンサルタントになりたい」と、わたしのところに若い子もたくさん来る。そのほとんどは「人を元気にしたい」「企業を元気にしたい」と夢を持ってくる。
けれど、そんなに簡単にお客さんからお金をもらえる世界じゃない。企画書も書けなければダメだし、営業もできないとダメ。それどころか、人の数倍勉強をする必要がある。しかも、相手は、大企業でたくさんの知識を持った人や、いっぱい勉強している社長。おまけに、ライバルは、次から次に出てくる。「自分が甘かったです」と、何人も去っていった。
タレント、芸人、クリエーター、講師、コンサルタント、これらの仕事は、売れたら年収数千万になれる。けれど、自分の名前で勝負するというのは、そんなに甘いものじゃない。表向きは、華やかに見えるけれど、生き残っている人たちは、想像以上の努力をしている。
その厳しさについて行けない若者も少なくない。その姿を見ながらいつも思う。「せめて3年は、逃げずに頑張って欲しかった」と。「あれから逃げる人生を送ってないか」「次の仕事は、逃げずにやっているか」。彼らがとっても気になる。あきらめる癖だけは、つけて欲しくない。意志の上にも3年だよ!
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| 題字・イラスト ながた かず |