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うふふナチュラルライフ

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自信がなかった今年のおコメ    

    予想に反した好成績にジーン

イラスト・さかいひろこ
 ようやく脱穀が終わったうちの田んぼ。今年も1反から8俵の収穫になった。すごいすごいと、みんな大喜びだ。

 本当のことを言うと、稲刈りが終わった時点では、あまり自信が無かった。たぶん6俵か良くて7俵と予想していたのに。日本人が1年間に食べるおコメの量は60キロとちょっとだそうで、ほぼ1俵分に相当するからこの差は大きい。

 刈り取り寸前の頃、コメ作りの仲間たちは、畔(あぜ)に佇(たたず)み首をひねっていた。「なぜだろう、今年は分蘖(ぶんけつ)が悪い」と。分蘖とは、稲の茎が成長するにつれて、根元の方が枝分かれすることを言う。たくさん分蘖すれば、それだけ稲穂も多くなり収量も増えるのだと教わった。

 堆肥(たいひ)が少なかったのか、炭が足りなかったのか。もっと竹酢液を撒(ま)けばよかったのかとか、いやいや地温が低かったからとか。あれこれ原因を話し合い、あげくの果てに誰かの行いが悪かったんじゃないのとかいうことになって、みんな思わず胸に手をあてて考え込んでしまった。

 とっころがーだ! いざ脱穀してみたらプロも驚く好成績だったじゃありませんか。どういうわけだとますます首をひねっているところに、田んぼの持ち主であるおばちゃんからこんな情報が入った。

 「隣の田んぼをやってる人から、おたくの稲は茎が細いけど穂が長いねえって言われて驚いたんだ」

 そう言えば、実りの割に鎌で刈る作業が去年より楽だった。天日干し用に組んだ竿(さお)も少なくて済んだな。まるで稲が、私たちの仕事が少しでも楽になるように気を使ってくれたみたいにも思え、一同なんだかジーンとしてしまった今年のコメ作りだった。

(タレント・エッセイスト)

(2004年11月20日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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