朝日マリオンのロゴ


● ● ● 高木美保の ● ● ●

うふふナチュラルライフ

■トップページ
■うふふナチュラルライフ目次へ

手間をかけ自分で作る納豆は    

    強いにおいもまた病みつきに

イラスト・さかいひろこ
 ビニールハウスに朝っぱらから、大の大人が4人もぐり込んで、ニヤニヤと何やら妙な笑みを浮かべている。時折顔を見合わせて「OK?」などと指で輪を作っては、またニヤニヤ。頭をタオルでスッポリと覆い、口元にはマスク。手には軍手。これじゃあ昔テレビで見た、過激派のデモ隊みたいだ。知らない人が通りかかったら怪しまれちゃうよ。もし、手に鉄パイプをもってたらね。でも私たちが手にしているのは、わらの束。間違っても殴り合いにはなりません。

 ハウスの屋根からは白い煙がモクモクと立ち上っている。中でまきストーブを使っているからだ。柱時計の形をしたこのストーブ、小柄だけどとても暖かい。大鍋一杯の水だって、みるみる煮たたすこともできる。さあこれで準備は整った。納豆作りを始めましょう。

 力自慢のおじ様たちが掘った深さ1メートルの穴の中でたき火を燃やし続けてある。十分に温度を上げておかなければ納豆の発酵がうまくいかないのだ。ハウスに煙が充満して、さっきから目が痛くてしょうがない。

 納豆の揺りかご“つと”作りで、指先もちょっと痛い。自分で食べ物を作ろうとしたら、材料や用具までも手作りしなくてはならないから大変だ。わらだって稲刈りからとっておいた物、スーパーマーケットには売っていない貴重品なのだ。でも手のかかった分だけ味はおいしくなる。

 よーく煮た大豆をつとにしまって、熱いお湯にザブリと浸したら、冷めてしまう前にむしろに包んで穴に入れ土をかける。この作業が流れるように行われないと立派な納豆はできない。手作り納豆は売っている物よりにおいが強いが、おいしそうな臭さなので病みつきになる。今年の納豆も大成功。うわ〜、くっさあ。

(タレント・エッセイスト)

(2003年1月22日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comのトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
〒104-8011 朝日マリオン21・マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion-ppr@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.