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うふふナチュラルライフ

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かん高く鳴く雑木林のキジ君たち     

     これからも元気でいられますように

イラスト・さかいひろこ

 朝、ケーン、ケーンというかん高い鳴き声で目が覚めた。声の主は、わが家の南側に広がる雑木林の中を歩いているようだ。ベッドに横になったまま聞いていると、少しずつ遠くなったり近くなったりする。

 その顔は、もう見ないでもわかる。美しい色をした羽は、まだ芽吹き前の林に差し込む朝日をあびて、輝いているだろう。それにしても、何でこんな朝っぱらから、あんなに大きな声で鳴いているのか。時を作っているつもりだろうか? それはニワトリの仕事だよ。キジ君。

 あと30分寝かせてほしかったのに。私は恨みがましくカーテンを開けた。

 昨年の夏、雑木林の中を散歩中に偶然キジのヒナを見かけた。まだウズラぐらいの大きさで、3羽で列を作り、ちょうど細い林道を横断しているところだった。ちょこまかとした足どりと、まだ華奢(きゃしゃ)な首がとても、ひじょーに、超!愛らしく、思わず足を止め見入ってしまったのだった。少しでも近くまで寄って写真を撮ろうと試みたが、カメラをかまえたとたん、全員雑木林の中に飛び込んでしまった。急いで駆け寄り林床を見回したが、姿を見つけられなかった。一生懸命に目を凝らしても見つけられなかった。自然の背景にみごとに溶け込んでしまう、あの羽毛のマジックにやられてしまったのだ。生き物の生きる知恵はすごいと、この時実感した。わりとしつこい性格の私は、しばらくその場に伏せて、またヒナたちが動き出すのを待ったが、ついに何も、ピクリとも動かなかった。

 元気に鳴いているキジ君は、あのヒナたちの父親だろうか、それともヒナの成長した姿なのだろうか。このまま何事もなく天寿を全うしてくれればいいが。

 実は、キジの巣があると思われる雑木林が今、開発の危機にさらされている。不良債権としてコゲついた山林を、債権処理の理由で銀行が安く切り売りし始めたのだ。こういったことは、バブル時代、リゾート開発に沸いた地方でひそかに進行している。人間の思惑のとなりで、あのヒナや生き物たちが少しでも多く助かってくれることを、今は祈るしかない。

(タレント・エッセイスト)

(2003年4月9日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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