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うふふナチュラルライフ

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大切なのは田んぼの健康管理     

     水口に竹炭の濾過装置を設置

イラスト・さかいひろこ

 この時期になると、車で道を走っていてすれ違うのは、ほとんど軽トラかトラクターばかり。特に田んぼ周辺では。今も私の目の前をすごいスピードで赤いトラクターが通り過ぎたかと思うと、先の田んぼに見事なコーナリングで滑り込んだ。あれは田舎のシューマッハだな。

 私らはトラクター無し。手押し車とスコップで堆肥(たいひ)を田んぼに振りまいている。堆肥の種類は二つ。牛糞(ふん)堆肥と枯れ葉堆肥。両方をブレンドすることで土作りをしている。堆肥は自分たちで作るので手間と時間はかかるが、素人だからこそ、自然を守る農業をしなければいけないと言うのが私らの信条。プロもできない素人農業を目指し頑張るのだ。大切なのは、米ばかりでなく田んぼそのものを生き物として扱うこと。だから体調にも気を配ってやりたい。人間だって肉ばかり食べていては血管が老化してしまうのと同じで、野菜も食べなくちゃだめよというわけだ。

 水にも気を配っている。今日は、上流で使われた農薬や化学肥料が水路から混入するのを少しでも減らすため、水口に竹炭の濾過(ろか)装置を設置した。炭は仲間の一人が焼いた物、装置もオリジナル。あまりにチープな作りで、プロの農家の人には笑われてしまいそうだが、私はこの手作り感覚が気に入っている。

 仕組みを説明すると−−。まず、水口の下に水を受ける漏斗(じょうご)を置き、そこに太いビニールのホースをつないだ。その先を、竹炭を詰め込んだ樽(たる)に垂らし、そのまま田んぼに埋め込んだ。水が少しずつたまっていきながら炭に濾過され、樽の縁から自然にあふれ出る−−はずだった。ところが。水かさが増すに連れ炭が浮き上がってしまい、慌ててそこら辺から石を拾って来て上から押さえなければならなかった。と、今度は重みで樽が割れあわやダム決壊。針金でぐるぐる巻きにしてなんとか事なきを得たものの、樽周辺の土が流出してしまい、再び大慌てで竹やぶから竹を切ってきて土嚢(どのう)代わりに竹垣を作った。

 というわけで、うちの田んぼには今、水口の所に、まるで日本庭園のような景色が出来上がっている。カッコンと、鹿威(ししおど)しの音まで聞こえそうな風流さである。

(タレント・エッセイスト)

(2003年5月7日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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