朝日マリオンのロゴ


● ● ● 高木美保の ● ● ●

うふふナチュラルライフ

■トップページ
■うふふナチュラルライフ目次へ

つらい経験笑い飛ばして幸せに     

     うちの骨折犬「ポッキー」と命名

イラスト
イラスト・さかいひろこ

 交通事故にあって、道端で動けなくなっていた子犬。2週間の入院生活の後めでたく退院し、晴れてうちの子となった。一緒に暮らすためにはまず名前が必要だ。はて、何と呼んだらいいのか。

 友人たちにメールで相談。

“あのね、グレーの短毛で、白い毛もちょっと混じってるんだよね。足はホッソリと長めでスタイルがとってもいい女の子ちゃんなの”

 と、我ながらもう親バカぶりを発揮してしまった。瞳はつぶらな黒。右の方は、お医者さんの話だと、先天的な障害があって小さく、もしかしたらあまり見えていないかもしれないそうだ。耳も動かないのでこちらも機能していない可能性がある。それでうまく車をよけられず、事故にあってしまったとも考えられる。

 “でもね、オスマン・サンコンさんの話だと、お国のギニアでは4キロ先にいるウサギが見えるくらい、みんな視力がいいんだって。それにくらべたらママ(私のこと)のお目々はド近眼だもの。たまたま日本人だから普通なだけのこと。あなたも気にするな”と言うと、つぶらな瞳をクリクリと動かし聞いていた。

 ところで名前だが、これがなかなかピンとくるものが無い。外見からすると、例えばクリちゃんとか、クロちゃんとかがあるのだが、なんと言っても出会った時のインパクトが強かったので、もっと他には無い名前にしたいと思った。事故にあって3カ所も骨折したにもかかわらず命は助かったその強運にちなんで“ラッキー”と名付けようとも思ったのだが、地元の知り合いの飼い犬に、すでに1匹ラッキーちゃんが存在していて使えなかった。他にもラブ、ハッピーはもう先約済み。これだけ犬を飼っている家が多くなると、名前のダブルブッキングを避けるのは至難の業のようだ。だがこの子の幸せのためにも、何とか良い名前を付けてやりたい。事故による骨折という辛(つら)い経験を乗り越えたのだから。そうか、辛い経験は笑い飛ばすにかぎる。そうすれば幸せはやってくるぞ。決めた。うちの子の名前は、“骨折犬ポッキー!”としよう。たくましく育ちそうでしょ。

(タレント・エッセイスト)

(2003年11月5日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comのトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
〒104-8011 朝日マリオン21・マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion-ppr@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.