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2005.4.7(木)更新
三池崇史のシネコラマ

 第1回  「寿司と美少女」
 「適当にみつくろってツマミでちょうだい」。空港の寿司(すし)は少々お高く感じるが、飛行機の旅は命がけだから仕方あるまい。

 太平洋上で墜落。奇跡的に一命は取り留め、機体の破片につかまり無人島に漂着。罠(わな)を仕掛け、やっとのことで捕まえたネズミをかじりながら、「あぁ、寿司食いてぇ」と思うに違いない。しかし待てよ。美少女が一緒だったら。いや美少女と2人っきりで無人島に漂着したとしたらどうだ。……墜落してもうれしい。ならば「寿司と美少女」どっちがうれしい?美少女だ。打ち上げられた砂浜に寿司が落ちているより、美少女が落ちている方がうれしいに決まってる。「寿司なんて屁(へ)みたいなもんだぜ」。

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 というプロセスを経て俺(おれ)は今、ニヤニヤと成田で寿司を食っている。「この人、お小遣いのほとんどを出発前のお寿司屋さんで使っちゃうんです。しかも余程うれしいのか、顔が笑ってるんです」と同行するプロデューサーにマネージャーが話している。そうだ。笑っている理由は全然違うが、この旅の目的はハリウッドに乗り込み、ジム・ジャームッシュの「ゴースト・ドッグ」や、クリント・イーストウッドの「バード」などで主役を演じた、フォレスト・ウィテカーという大物役者と「こんな映画を創(つく)ろうぜ」という大切なミーティングである。フォレストに会ったら聞いてみよう。「ハンバーガーと美少女」どっちがいいかって……。

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 あ、お気づきでないかも知れませんが、実はこれ「映画のコラム」なのです。しばらくの間、よろしくお付き合い下さい。

(2005/4/7)

みいけ・たかし

 60年生まれ、大阪府出身。今村昌平、恩地日出夫監督らに師事。95年「新宿黒社会」で劇場映画監督デビュー。「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」(97年)、「ゼブラーマン」(04年)など、ジャンルを超えた話題作を世に送り出す。現在、05年夏公開予定の「妖怪大戦争」を製作中。

 

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