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2005.6.16(木)更新  
三池崇史のシネコラマ

 第10回  「ウルトラマン」
 66年。高度経済成長時代の真っただ中。私は6歳のかわいいハナタレ小僧でございました。お小遣いは確か、1日5円。それでも酢イカとイチゴ飴(あめ)が駄菓子屋で買えたように記憶している。人工甘味料チクロに光化学スモッグ。生活の中心はザリガニ釣りだった。

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 大阪府八尾市の「文化住宅」。我が家のテレビにはまだ色がついていなかった。真空管で映し出されるモノクロのブラウン管が青白く明るい未来を語っていた。そこに、とんでもないヒーローが現れた。そう、「ウルトラマン」だ。
 大好評の空想特撮シリーズ「ウルトラQ」の勢いを引き継いで、M78星雲の正義の使者は、ハヤタ隊員とひとつになった。「シュワッチ!」と稼ぎ出したのは「マグマ大使」も真っ青の高視聴率。だって、「ウルトラマン」見てない子供っていなかったのだから、当たり前だろう。時代が元気ならテレビも元気だ。定かではないが日曜日には、藤田まことの「てなもんや三度笠」で笑ったあと、「ウルトラマン」で怪獣をやっつけて、藤子不二雄大先生の「オバケのQ太郎」。そのあとも母に、「もう寝なさい」と怒られながら、渥美清の「泣いてたまるか」を見ていたように思う。
 ……う〜ん、贅沢(ぜいたく)な時代だ。テレビは宝の箱だった。中でも、「ウルトラマン」は特別だった。バルタン星人にガバドン、ガマクジラ。レッドキングにゼットンなどなど。破壊の快感と正義の暴力の虜(とりこ)になった。そして私はそのまま大人になった。で、新シリーズの監督をさせていただくことになった。やったぜ。子供のころ憧(あこが)れていたヒーローにNGを出せる。あぁ、生きててよかった。

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 さて、来月から放送される、原点に返った「ウルトラマンマックス」。土曜の朝、お子様と一緒に楽しんでいただければ幸せです。

(2005/6/16)

みいけ・たかし

 60年生まれ、大阪府出身。今村昌平、恩地日出夫監督らに師事。95年「新宿黒社会」で劇場映画監督デビュー。「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」(97年)、「ゼブラーマン」(04年)など、ジャンルを超えた話題作を世に送り出す。現在、05年夏公開予定の「妖怪大戦争」を製作中。

 

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