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2005.6.30(木)更新
三池崇史のシネコラマ

 第12回 「クランクインの前」
 次回作の準備が始まりました。商業映画製作の常識を見事に無視した、空間(撮影の環境)と時間(予算)を自由に使う実験的で野心的な作品なのです。さすがの私も、「ちょっとヤバいんじゃねぇか」という感じですが、強行突破は得意とするところ。スタッフ・キャスト、火の玉となりまして玉砕覚悟で突き進む所存でございます。

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 そもそも、映画ってどうやって始まるか知ってる?
 「原始的衝動。これを創(つく)りたいって熱き想(おも)いでしょ」
 ……ま、それもあります。しかしこの業界、様々な状況に追い込まれた人々の切迫した思惑が交錯し、とんでもない理由から生まれる作品も数多くあるわけです。「この小説、今なら安く適当に作っても客来るよね」とか、「借金返済のためここでなんとか一発逆転じゃ」とか、「言っちゃった手前、引っ込みつかなくってさ」などなど……。大人の事情でバリバリに屈折した動機が映画の源だったりするわけですよ。
 「ちっ、不純だな」
 ごもっとも。ごもっともではございますが、現場の人間としましてはそこがまた面白いんですよ。ポジティブに生きましょうよ、ポジティブに。ことの起こりはどうでもいいじゃありませんか。戦場を与えられたのだからこれ幸い。闘いましょうよ。力いっぱい精いっぱい、生きててナンボの人生じゃあ〜りませんか。生んでくれた親に感謝。育ててくれた時代にありがとう。笑う門には福が来る。失敗してもいいじゃん。明日は明日の嵐でメチャクチャ。

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 日本のすべての子供たちに告ぐ、「大人になるのは楽しいぞ。自殺したり、親を殺したりしてんじゃねぇ」。
 う、いかんいかん。興奮してしまった。でもね、クランクインの前はいつもこんな感じなんだよね。爆発したかったら映画においで。楽しいよ。

(2005/6/30)

みいけ・たかし

 60年生まれ、大阪府出身。今村昌平、恩地日出夫監督らに師事。95年「新宿黒社会」で劇場映画監督デビュー。「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」(97年)、「ゼブラーマン」(04年)など、ジャンルを超えた話題作を世に送り出す。現在、05年夏公開予定の「妖怪大戦争」を製作中。

 

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