忌野清志郎が犬になった。愛を謳(うた)う傷だらけの棄(す)て犬に……。
「違うだろ! 清志郎様はKINGからGODになったんだ。犬じゃない!」
いや、そうなんだけど。その清志郎さんが1日だけ犬になったってお話です。
「芸能人お得意の一日署長みたいなことか?」
違いますよ。映画「妖怪大戦争」の主題歌として清志郎さんが作った曲「愛を謳おう」のプロモーション・ビデオのお話です。ズタボロの犬になって子供たちと共に愛を謳ったのです。
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「わからん。何で犬? 妖怪映画の主題歌でしょ」
……ね。なんでだろ。なんとなく、縫いぐるみがいいなって思ったんですよ。縫いぐるみとくれば犬か、とね。それは道端に棄てられていた大きな犬の縫いぐるみで、そのグッタリ感にたまらず清志郎さんが中に入っちゃったというイメージなんです。そしたら、棄てられたものがよみがえった。清志郎さんとまじりあって奇妙でキュートな命を取り戻したのです。ね、なんか「妖怪」っぽいでしょ。
「でも清志郎さんは忍者になりたかったって言ってるぞ」
そ、そうなんですか。ごめんなさい。次回はぜひ忍者でお願いします。
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以上のように映画監督というのは様々なメディアから取材を受けます。そこでは多くの場合「意味」を問われます。本当は「いや、なんとなく」でも、せっかくの取材だから期待されているコメントをしなければと無理やり答えを探します。ペラペラしゃべる自分の声をもう一人の自分が聞いていて「ふ〜ん、そうだったんだ。だからあのシーンはそうなったんだ」なんて感心してたりするわけです。いいかげんでしょ。だって、私は表現者であり解説者ではないのだから仕方ないよね。ともかく「妖怪大戦争」観(み)て聴いて感じてください。