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2005.8.25(木)更新
三池崇史のシネコラマ

 第19回 「中身で勝利だ!」
 「妖怪大戦争」。予想以上のお客様に見てもらえているようで感謝感激です。「よかった、よかった。しかし、公開初日はビビッたぜ」とプロデューサーが振り返る。そう、初日のお客様の集まりは確かによくなかったようです。しかし、日を追うごとに劇場は賑(にぎ)わいを増し、大ヒット!

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 「嬉(うれ)しいです。ありがとう」。だって、これってこの業界ではかなり珍しい現象なんですよ。
 「出だしがダメならその映画はダメな映画」。実は、興行収入を初日の初回のお客様の数から予想するという恐ろしい習わしがあるのです。過去のデータを尺度とした単純な足し算ですな。「数字が目的なら俺(おれ)を監督に使うんじゃねぇ!」と思いながら初日の舞台挨拶(あいさつ)。で、それが終わると昼食を兼ねての「打ち上げ」となり、「カンパ〜イ!」とかやってるうちに全国の劇場からお客様の数の報告が届くわけです。
 「皆さん、数字が出ました。30億に届く勢いです」(ウォー、パチパチパチパチ)。これが大ヒットの音ですな。で、敗戦の場合どういう音かと申しますと、「数字のほうもマズマズで……」(ウ〜ン、パチパチパラパラ)と、これがちょい負けね。数字だけが目的ではないという嘘(うそ)っぽい立ち位置から、マズマズという曖昧(あいまい)な表現で「あんまり客が入っとらん」とさりげなく伝えるわけです。で、大負けの映画になりますと数字などには一切触れず、「我が家の犬はポチといいまして……」なんて犬自慢を始めたりする次第。

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 ……せつない。でも最近、ドーンと宣伝して最初は勢いがいいのだが、すぐにグッタリって映画が増えている。そんな中、「妖怪大戦争」の健闘ぶりが実に痛快なわけさ。ハハハハハ。ってこれ、「中身で勝利だ」という私の自慢話だってバレてます?

(2005/8/25)

みいけ・たかし

 60年生まれ、大阪府出身。今村昌平、恩地日出夫監督らに師事。95年「新宿黒社会」で劇場映画監督デビュー。「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」(97年)、「ゼブラーマン」(04年)など、ジャンルを超えた話題作を世に送り出す。現在、05年夏公開予定の「妖怪大戦争」を製作中。

 
 バックナンバー 

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