私は酒もたばこも人並み以上に頂く。いや、正確に言うと、ついつい頂いてしまう、弱い心の持ち主だ。少ない日でもたばこはひと箱以上。酒は、ビール2本、チューハイ2杯、芋焼酎のロックか日本酒を2、3合って感じです。それを365日、1日たりとも休みません。これが腕立てふせや腹筋運動なら凄(すご)い精神力の持ち主だと感心されるのですが、酒やたばこの場合、バカと言われます。
「そんなに死ぬのが怖いのか!」と、反撃してやりたいのだが、困ったことに死ぬのは怖い。
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で、「人間ドック」だ。
これは弱虫にとって最強の味方だ。去年はおかげさまで骨折が発見された。肋骨(ろっこつ)が折れていた。
「私も長く勤めていますが、骨折を発見したのは初めてです」と、担当の先生が感心していたほどだから、骨折が見つかることはかなり珍しいようだ。
「痛かったでしょ。なぜ病院に行かなかったの?」
「仕事が忙しくて……」
「キミ、強いんだね」
よかった。強いところがひとつでもあって……。
という自慢話を飲み会でしたところ、「俺(おれ)はもっと凄いぜ」って奴(やつ)が現れた。
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「俺は『人間ドック』で骨が折れたのだ」
「えっ! そんな?」
「それはバリウムを飲んだ直後に起こったのだ」
「胃のレントゲン?」
「そうだ。ちょびっと飲んで右向いたり左向いたり。全部飲んだところで黒いアームが伸びてきて胃をグリグリ押すのだ。で、肋骨押されて折れた。診察台をタップしたんだが気づいてもらえなかったのだ」
私の精神力並みに骨が弱かったということだろうか……、それは弱すぎるぞ。
「うん。カルシウムを取るように注意されたのだ」
人間ドックも奥が深い。弱さを補いながらけなげに生きる。それが人間だ。