新作の撮影が終わった。久々の厳しい現場でした。
「監督、夜の時間が足りません!」と、助監督の悲痛な声が聞こえる。
そうだね。徹夜しても追いつかないね。困ったね。
「って、もう4日連続の徹夜ですぜ」
しかも、昼間は撮り残したシーンの撮影でいっぱいだしね。
「……だしね、って軽すぎませんか、その言い方」
そうだね。ま、どっちにしても撮影は止めないわけだから前向きに考えましょうよ。「いや〜、寝る時間もなくいっぱい働けて幸せだなぁ〜」って思えば「徹夜もまた楽し」でしょ。
「そんなものなんでしょうか?」
そんなもんなんだよ!
■ ■
「うぉ〜い! 東の空が青くなって来たぞ〜」と、照明部が叫ぶ。
いかん。夜明けが近いようだ。
翔さんを呼べ〜。血のりを付けろ〜。
よ〜し、キャメラを回せ〜。誰か太陽を押さえとけ〜。それが無理なら地球を西に回せ〜。
「あぁ! カラスが空で笑ってます!」
笑いたい奴(やつ)には笑わせておけ。俺(おれ)たちは夜が明ける前に、あと3カット撮るぞ〜!
「あっ、監督。アドレナリンが耳からダラダラ垂れてます!」
え〜い、ままよ〜。「本番。よ〜い、はい!」
ダラダラ、ダラダラダラ〜。ダラダラ……。
「……はぁ〜。終わった」
■ ■
カラスには笑われ、太陽を押さえ込むことも地球を西に回すこともできなかったが、撮りたいものを撮った。久しぶりに三池組らしい三池組でございました。そして、こんな楽しい撮影は、間違いなく名作を生み出すものなのです。
タイトルが「太陽の傷」と決まりました。見てやって下さい。