「親父(おやじ)のボクシングが世界でも通用することを証明できてよかった。親父、ありがとう!」「お母さん、オレを産んでくれてありがとう!」
世界タイトルを獲得した亀田興毅さんの言葉に共感した僕はテレビの前で、1人号泣してしまいました。試合中は、まばたきをするのも忘れ、勝負が決まった瞬間は、あまりのうれしさで床に倒れ込んでいました。僕にとっても、かけがえのないものはやっぱり家族です。ケガをしたことで、支えてくれる家族のありがたさを、より一層感じることが出来ました。
リングの上で戦い、世界チャンピオンになって、そのベルトを父親にプレゼントできる彼。僕が出来る親孝行は、舞台の上でいい芝居をして、親からもらった大きな役を一生懸命勉強して、お客様に喜んでもらうこと。目指すは大好きな父の踊りです。でも、ケガをしている今の僕にはそれが出来ない。だから、本当に彼がうらやましいし、親や兄弟を思う気持ちがとってもすてきだと思いました。
気性は激しいけれど、人を引きつける魅力がある両親。ミステリアスで純粋な弟。一堂に集まると話が尽きない家族だから、自然と聞き役になった僕。誰一人欠けても成立しない、この4人がそろってこその家族なんです。いつか僕も、興毅さんのように、自分らしい親孝行がしたいです。
〈歌舞伎俳優〉
(2006年9月7日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)