新春放送のドラマのロケで本州最北端、青森の大間という町に滞在しています。
朝、東京の家を出発し、函館からフェリーに乗り継ぎ、宿へ到着したのは夕方近く。移動だけでほぼ1日がかりでした。新幹線や飛行機の利用で日本中どこに行くにも「分刻み」の感覚が染みついていたのが、ゆるっと解けて「ゆっくりやろうや」と、脳が気持ちよくシフトチェンジしています。函館のフェリー乗り場で待ち時間に、ぽかぽかの秋空と凪(な)いだ海を眺めての、お昼のお弁当。ハードな撮影なのに気分はゆったり、まったり、和気あいあい。スタッフが毎日現場で作ってくれるカレーやぜんざいの心こもった温かい炊き出しに、大間といえば有名なマグロはもちろん、新鮮で旨味(うまみ)たっぷりの貝類とおいしい地酒。毎食存分に、心おきなく頂いています。マグロを巡るドラマを撮っているのですが、既にこちらの方がマグロ状態。ウ、ウエストがぁ、無くなっていくぅ!
個人の旅では、なかなか足を延ばす事も出来ない町で、手足を伸ばして深呼吸。寿命が2年は延びた気がします。
不規則なスケジュールや、ほこりだらけのセット、厳しい撮影の環境の中でも、長生きされる役者さんも多いのは、こんなロケのお陰じゃないでしょうか?
天高く、マグロのように肥える秋でも、やっぱり役者やってて良かったぁ〜とシアワセを満喫しています。
〈女優〉
(2006年10月19日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)