7月から4カ月間まとまった休みがありましたが、ケガによるもので、体は動かず舞台にも立てない――。こんな休みならいらない。やっぱり健康で、仕事もして休みもあってという生活が一番です。
歌舞伎公演は月単位なので、週に1日や2日という休みがありません。だから定期的な休みにあこがれます。自由に使っていい休みがあったら、まずは旅行。ヨーロッパとかではなく、タイやカンボジアなどの東南アジアに行きたい。アンコールワットの映像を見ると無性に「行かなきゃ!」と思うようになります。これは前世が関係してるんじゃないか。絶対、何か因縁のようなものがあるに違いありません。
次はペン字です。せっかくサインは決まったのに、「○○さんへ」と書いた時の自分の残念な文字が……。正直へこみます。
そして一番したいのは大学で勉強すること。テストの時、5分でおなかが痛くなっていた数学も、今では結構解けるんです。この気持ち良さといったら――。どうして学生の頃にこう思わなかったんだろう。「モヒカンの信長」「サングラスのルソー」といった、当時の落書き満載の教科書を見てつくづく思います。あの頃の勉強嫌いな自分に教えてあげたい。本は質問には答えてくれないけど、先生は直接教えてくれる。毎日いろんな専門家に会えるのは本当にすごいことなんだよ! と。
〈歌舞伎俳優〉
(2006年12月7日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)