「問題です。僕は今、眠いですか? 眠たくないですか?」
「……眠たくない方でお願いします……」
ある朝の僕と付き人とのやり取りですが、実はこの会話、寝ぼけていて全く記憶にないんです。目覚めの悪い僕は、毎日こんな会話や、ある時は物まね、ジョークまでやって、どうにかして少しでも長く寝ていようとしているのです。
僕は、私生活ではあまり競争心がありません。だから人に負けたくないということがすぐに思い当たらないのですが、あえて言えば、朝ちゃんと起きられない自分に負けたくない、ということでしょうか。一社会人として、寝坊による遅刻は許されませんものね。
学生時代、授業中に寝てしまい、目を覚ますと、そこには誰もいなかったことがありました。誰も起こしてくれないのです。他にも、8時に目覚ましを掛けたのに、気づいたら正午。4時間も鳴り続けてた時計は電池が減り、「ピピピピピ」の音は、まるで伸びきったようになっていました。そんなエピソードには事欠きません。
どうしたら、一発で目が覚めるんだろう。例えば、知らない人から電話で、「○○県の○○です。起きて下さい」って言われたら、思わず「はい、すみません」って飛び起きるかも。でもそんなの無理だよなぁ。頑張らないと……。
〈歌舞伎俳優〉
(2007年2月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)