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2006.2.8(木)更新  日本音紀行 もうひとつの風景

福島潟 (新潟市)

雪原を舞う遠来の旅人
ヨシの群生する福島潟はオオヒシクイの絶好のねぐら。夜が明けると、エサ場に向かって次々と飛び立って行った=上田頴人撮影

【交通】福島潟へは、JR新潟駅から白新線で豊栄駅下車、タクシー利用約5分。車は、日本海東北道・豊栄新潟東港インターから約5分。
 いてついた雪原を寒風が滑るように渡り、枯れたヨシ原がチリチリと乾いた音をたてる。その向こうで、オオヒシクイの群れが凍えるような太いしわがれ声で鳴いている。

 国の天然記念物のオオヒシクイは羽を広げると160センチにもなる大型の雁(がん)だ。越冬地として飛来数日本一の福島潟には、10月ごろ北方から渡ってきて、翌年3月ごろには海の向こうの繁殖地に旅立っていく。

 豪雪にもめげず、今季は例年以上の約7千羽がやってきた。「イネの株や二番穂のある水田が雪に埋まっても、潟に行けば好物のヒシの実がありますから」と、地元にある施設「ビュー福島潟」の自然指導員、小松隆宏さん(37)は話す。

 99年6月、彼は地元市民と一緒に、新潟から2400キロ離れたロシア・カムチャツカ半島ヘ繁殖地探しの旅に出た。氷河の残る山脈をヘリコプターで越え、北緯56度の緑豊かな原野を空から探すこと1週間、ついにヒナを連れた1組のオオヒシクイの家族を見つけた。

 「その瞬間、新潟とこの場所はつながっているんだ、と強く感じました」。渡り鳥の視点で、国境を越えた環境保全を考えるようになったのは、その体験があるからだ。

 早朝、彼の案内で、野鳥の観察施設「雁晴れ舎」に行き、オオヒシクイが餌場を探しに飛び立つシーンを見た。頭上を飛び過ぎるとき、グワワンと鳴いたかと思うと、向かい風にあおられスローモーションのように羽ばたくギシギシいう音が耳に迫った。生々しくも雄々しい光景に、思わず息をのんだ。

(中村正人)


 ◆福島潟の野鳥と四季
 潟の面積は193ヘクタール。国指定鳥獣保護区。1年を通して多くの野鳥が観察されている。
 ▼春から夏 オオヨシキリ、カッコウ、ゴイサギ、コサギ、バン、カイツブリ。
 ▼ カシラダカ、アオジ、オオジュリン。
 ▼ オオヒシクイ、ハクチョウ、カモ、オジロワシ、オオワシなど。
 
 ◆水の駅 「ビュー福島潟」
 国の天然記念物オオヒシクイや希少植物オニバスを中心に、潟に生息する動植物や歴史を映像や資料で紹介する施設。全面ガラス張り、逆円錐(えんすい)形の7階建てで4階から有料。1階売店では、潟に生えるヨシで作った手すき和紙を販売している。入館料400円。小中高生200円。午前9時〜午後5時。(月)((祝)の場合は翌日)休み。問い合わせは025・387・1491。
 
 ◆葛(くず)塚市
 江戸時代から続く六斉市。毎月1、5、10、15、20、25日、豊栄駅前の常盤町通りで開催。最大250店もの露店が並び、地場産の青果や乾物、食料品や日用雑貨などを販売する。なかでも、魚市場直送の鮮魚が好評という。豊栄駅から徒歩約5分。午前9時ごろから午後3時ごろまで。問い合わせは市豊栄支所 産業経済課 商工観光係(025・387・3401)。
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