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2006.4.5(木)更新  日本音紀行 もうひとつの風景

渦潮(鳴門海峡)

のたうつ波の うなり声
観潮船デッキすぐ横に現れた大きな渦。数秒ですぐに消えるドラマだが、デッキからその度に歓声が上がった=徳島県鳴門市沖で(撮影・渡辺瑞男)

【交通】渦潮観潮には、大鳴門橋の足元にある鳴門公園が便利。徳島空港からバス約30分、またはJR鳴門線・鳴門駅からバス約25分。
 大鳴門橋の下で、潮の流れが突然、滝のように流れ落ちた。のたうち回る潮がぶつかりあい、渦となって口を開く。そのたびにゴーッと、低いうなり声をあげる。

 渦の間を、観光客を乗せた「観潮船」が巧みにすり抜けていく。昼下がりのまばゆいばかりの陽光の下、船のデッキに立ちすくむ。目の覚めるようなすがすがしい清涼感。まるで巨大な洗濯機の中に放り込まれたかのような迫力だ。

 満潮時、太平洋から北に向かう潮が紀伊水道で二手に分かれ、一方は鳴門海峡に。もう一方は淡路島の東から明石海峡を経由して、はるばる鳴門海峡に回り込む。その間、約6時間。再び出会う時、干潮を迎えた鳴門海峡では北と南の潮位差が最大になる。春と秋の大潮だと1メートル以上にも。潮が流れ落ち、砕ける激流の音を地元の人は「潮鳴り」と呼ぶ。

 「渦って不思議なもんでね」。そう話すのは、観潮船の船長、向孝行さん(57)。「潮位差があっても大きな渦ができるとは限らない。北風では波は立つけど渦はダメ。晴れて南風がそよっと吹くくらいが、きれいな渦のできる条件。耳を澄ますと、海中に吸い込まれていくような渦の音が聞こえますよ」

 船を降り、大鳴門橋の下に設けられた遊歩道『渦の道』を歩いた。約1時間後、無数の渦がほどけるように消えていき、あれほど騒がしかった海峡が静まり返っていった。潮待ちしていた漁船の群れも近づいてきた。うそのような静寂。拍子抜けするほど、のどかな春の海があった。

(中村正人)


 ◆渦潮を楽しむ好スポット

 潮の干満などにより、渦が発生。時間や規模は異なり、春秋の大潮の時は特に見頃。
〈上から〉徳島県鳴門市の大鳴門橋「渦の道」(TEL088・683・6262)は海上45メートル。午前9時〜午後6時。500円、中高生400円、小学生250円。6、9、12、来年3月の第2(月)休み。
〈接近して〉観潮船が3便。同市亀浦漁港から「うずしお」、午前8時〜午後4時半(30分間隔で運行)。1500円、小学生750円。問い合わせはうずしお汽船(088・687・0613)。
 ▼同市亀浦観光港から「わんだーなると」、9時〜4時20分(40分間隔)。1530円、小学生770円。水中展望室のある「アクアエディ」(要予約)も。9時15分〜4時15分(30分間隔)。2200円、同1100円。問い合わせは鳴門観光汽船(088・687・0101)。
〈遠景から〉標高99メートルの鳴門山の展望施設「エスカヒル鳴門」(TEL088・687・0222)。午前8時半〜午後5時。エスカレーター料300円、小中学生100円。
 ◆港の朝市

 4〜5月は鯛(たい)が旬。鳴門市北泊新港「快てきペンギン村 朝市」は第4(土)午前9時。問い合わせは北泊漁協(088・688・0131)。
 ▼同市粟田漁港の桜鯛祭りは5月3日(水・祝)午前8時。6月から第2(土)8時、「とれとれ市」。問い合わせは北灘漁協粟田支所(088・682・0003)。
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