「エスキーテニス」は、ラケットを使ってネット越しにボールを打ち合う、テニス形式のスポーツだ。違うのはラケットやボールの形状。ラケットは、木製で表面にゴムが張られていて、少し大きめの卓球のラケットという感じ。ボールはゴルフボール大のスポンジに羽根がつき、バドミントンや羽子板の羽根のような印象だ。
誕生したのは、終戦間もない広島。原爆投下による廃虚の中、焼け残った板切れと手作りのボールを、子どもたちが打ち合って遊んだのが始まり、とされている。
1947年に広島の実業家・宇野本信さんがスポーツとして確立。愛娘(まなむすめ)を原爆で失い、「スポーツを通して平和を」という願いからだった。世界平和を願って広島に創設が提唱された「教育科学文化研究所(Education Science and Culture Institute)」の頭文字をとり、「エスキーテニス」と名づけられた。
羽根がボールのスピードを抑えるため、スペースをあまりとらない。屋外だけでなく、体育館などの屋内施設でも楽しめる。
山口や福井などにも普及しているが、広島での認知と人気が高い。以前は広島平和大通りに10面の専用コートがあったほど。県内には、8つの大学が参加しているエスキーテニスのリーグがある。平和を象徴するスポーツとして、学生から中高年、中には80歳近い現役プレーヤーまで、幅広い人たちに愛されているのだ。
エスキーテニス歴45年という迫田勝十司さん(63)は「当時は道具も安かったので、給料の安かった若い時代でも楽しめました」。今も働きに通う広島県庁にも、専用のコートがあるという。「若いころの体力はなくなったものの、年を重ねれば重ねるほど技術が身につくので、若い人とでも互角に戦うことができる」と、その魅力を語る。問い合わせは、日本エスキーテニス連盟(問い合わせは082・251・1436、http://home.att.ne.jp/sky/esci)。