帆に風を受けて走るスポーツ、といえばヨットやウインドサーフィン。これを陸上で楽しむのが、「ブローカート」だ。
帆がセットされた3輪のカートに、寝そべったような体勢で乗る。動力は風のみ。帆についたひもと前輪を動かすハンドルで方向を調整し、風を受けながら走る。三つの車輪で安定感もあり、初心者でも15分もあれば走らせることができる。風をうまくつかまえれば速度は30〜40キロほどに。体と頭の位置が地面から15センチ程度と非常に近いため、体感速度はその3倍にもなるという。
ブローカートは2000年、セールスポーツが盛んなニュージーランドで生まれ、日本では03年から、ニュージーランド人のジミー・バンノートさん(45)と妻の直子さん(33)が普及に努めている。「自然の風だけで走れるのに感激するのはもちろん、寝そべっているので青空を感じることもできるのが魅力のひとつ」と直子さん。環境に優しいエコスポーツとしても注目されている。
茨城県の波崎海岸を中心に活動中で、メンバーは父親と楽しむ3歳の子から、70歳を過ぎる人まで様々。最近は団塊世代からも人気があるという。
05年から世界大会が開催され、23カ国が参加。男女や年齢に関係なく、体重で出場クラスが決まる。手だけで操作するので、足の不自由な人にもハンディはない。ジミーさんがヘッドコーチを務める日本選手団は、10月のベルギーでの大会に向け練習に励んでいる。
4月の試乗会に参加した茨城県神栖市の須田信行さん(64)は「簡単に乗れる上に結構スリルもある」と興味を持ち、夢中になった。「風が弱くても、セールの向きや張り具合を操作して風をうまくつかまえて走れたときは本当に快感です」。80歳を過ぎても続けるのが目標だ。問い合わせは日本ブローカート協会(http://www.nihonblokart.org)。