「パンと打って、ポンとはずむ」ことから名付けられた「パンポン」は、市民スポーツとして茨城県の一部の地域に浸透している。軟式テニスボールを、縦30×横20×厚さ約1センチの板切れで打ち合う。縦7×横2.5メートルのコート中央を仕切る高さ40センチの「ネット」も木製だ。この素朴なスポーツの発祥は、大正時代の茨城県日立市・日立製作所山手工場だといわれている。
1921年ごろ、昼休みのキャッチボールは、ガラスを割るとの理由で場所を制限されてしまった。そこで、社員がミカンの空き箱や廃材を手に軟式テニスボールを打ち合ったのが始まり。
現在のルールは、81年の社内課対抗大会の際に整備され、定められた。卓球とテニスを混ぜたような簡単なルール。ジャンケンでサーブ権とコート側を決め、1ゲーム4点先取の3ゲームマッチで行う。シングルス、ダブルス、混合ダブルスでの対戦が主流だ。
次第に市内の職場や小中学校のクラブ活動でも行われるようになり、手軽にできるスポーツとして市民の間に広まった。今年5月に28回目を迎えた市の大会には、約400人が参加したという。
競技として本格的に取り組むとなると結構ハードだ。熟練者は、コートの中を機敏に動き回り、とてつもない速さでサーブやボレー、スマッシュを決める。
日立事業所内の同好会に所属する加藤康広さん(35)は、何度も優勝経験があるエース。今年の市大会・男子シングルスでも優勝した。「試合は短時間で勝負が決まるので、集中力が必要。自分よりレベルの低い人と対戦しても、気を抜くと負けてしまうことも。失敗できないという緊張感が好きですね」。得意のサーブで次の大会も頂点を狙う。
問い合わせは、日立市パンポン普及推進協議会(TEL0294・36・6661、http://www.hasa.or.jp/panpon)。