おおらかで、緩やかな動きは太極拳のよう。でも、その手には、ラケットが握られている。それが今回紹介する「太極柔力球(たいきょくじゅうりょくきゅう)」だ。
1991年、中国・山西省晋中衛生学校の副教授が、中国古来の太極思想に基づいて考案した。テニスやバドミントンのラケットと似たフレームにゴムが張ってある専用ラケットと、砂が入ったボールを使い、音楽に合わせてリズミカルに体を動かす。このとき、ボールがラケットに吸い付くように操ったり、空中に上げたボールの衝撃を吸収しながらキャッチしたり。太極拳の神髄を取り入れたという動きでラケットとボールを操る様は、まるで踊っているようだ。
「基本動作」と呼ばれる動きを練習し、それらをいくつか組み合わせた演技「規定套路(とうろ)」を、個人やチームでするのが太極柔力球の楽しみ方の一つ。さらに、基本の動きをしながら、ネットをはさみ試合をする球技としての楽しみ方もある。
中国ではすでに300万人が愛好しているという。日本では、2002年ごろから紹介されるようになり、04年には日本太極柔力球協会が本格的な講習会を行った。現在、東京都調布市などで、講習会を開いている。やってみると案外ハード。「血行がよくなったのか、ひざや腰の痛みが軽くなった」と、汗を流している中高年も多い。
指導員の荒井圭さん(52)は「最初はボールをうまく扱えず、ポロポロ落としてばかり。少しずつできるようになって、音楽に合わせて動けるようになると、うれしくてもっと上達したいと思うようになるんです」。中国を訪れたとき、車いすなど障害のある人も、80歳近い高齢者も楽しんでいるのを見た。「もちろん若い人でも、それぞれのレベルに合わせて楽しめるのが魅力」と話す。
問い合わせは、日本太極柔力球協会(東京都日中友好協会内、TEL03・3295・8241、http://www.jcfa-tyo.net/rouliqiu.htm)。