ファウスト(Faust)はドイツ語で「こぶし」の意味。片手のこぶしを使う球技で、バレーボールの前身とされている。
コートは50×20メートルとかなり広いため、屋外での試合が多い。各チーム5人のプレーヤーがネットをはさみ、サッカーボールに似たボールを、片手のこぶしや腕で打ったりレシーブしたりする。レシーブは直接でもワンバウンドでもOK。レシーブしたボールは3回以内に相手チームのコートに打ち返さなければならない。
紀元240年ごろにはすでにあったと言われており、世界でも最も古いスポーツのひとつとされる。現在、ドイツを中心にオーストリア、スイス、イタリア、デンマークなどヨーロッパ諸国で盛んで、南米や南アフリカにもドイツからの移住者によって広まった。英語圏では「フィスト(fist)ボール」と呼ばれることもある。
日本で広く紹介されるようになったのは、2001年のワールドゲームズ秋田大会だ。ワールドゲームズは、オリンピック種目にないスポーツを行う国際大会。開催地の秋田で「日本チームも参加しよう」と98年に協会が設立され、その後、結成された日本代表チームでもある秋田県選手団が、海外試合に参加するなどして正式に出場資格を得た。現在も、選手たちは秋田を中心に活動している。
東京都文京区に住む栗原有紀子さん(33)は、ワールドゲームズで試合を見て、その迫力に興味を持った。都内には練習する場もメンバーもいなかったため、多いときは2週間に一度は秋田に通って練習に励んだ。中学から大学までバレーボールをしていたが、「やってみたら全然違うスポーツ。最初はボールの硬さと片手で扱うことに戸惑いましたが、屋外でプレーするのがすごく気持ちよくて」と話す。ファウストボールの魅力を伝え、東京で社会人チームを作るのが目標だ。
問い合わせは、日本ファウストボール協会(http://www.cna.ne.jp/~tamura)。