緑の芝生の上で、白いウエアの競技者が、赤、青、黄、黒に塗り分けられた4個のボールを打って歩く。「クロッケー」は、ゲートボールの原型となったスポーツだ。
マレットと呼ばれる柄の長い木づちを、両足の間から振り子のようにスイングさせてボールを打つ。幾つかの門を規定の順番に通過させ、コート中央のポールに先にボールを当てた方が勝ち。ボールの直径9.22センチに対し、門の幅は10センチ前後なので、ぎりぎりの幅でくぐらせなければいけない。
対戦はシングルスかダブルス。4個のうち、2個が自分チームのボール。1回打つと交代だが、他のボールに当てれば追加で2回打てる。その場合の一打目は、当てたボールに接触させて打ち、それぞれのボールを任意の場所に送る、というルールがあり、クロッケーを奥深いものにしている。ルールは少々複雑ながらも、うまくボールをコントロールし、門をくぐらせていけば連続して打つことができる。そのためには、狙った場所に正確にボールを転がす技術と、数打先のボールの配置まで予測することが必要で、「芝生上のビリヤード」ともいわれるゆえんだ。
13世紀ごろ、南フランスの農民が楽しんでいたゲームがルーツと言われている。日本には1983年に協会が設立されたが、公式コートが東京都立川市の国営昭和記念公園にしかないため、協会の会員は30人前後しかいない。
国分寺市の会社員押田悟さん(49)は6年前、テレビで「今からでも五輪に出場できる方法」としてクロッケーが紹介されたのがきっかけで始めた。2012年のロンドン五輪で正式種目に選ばれるように、世界のプレーヤーと共に活動中だ。「世界を近い距離に感じられるのが楽しい」と、五輪出場を目指して毎週練習に励んでいる。
問い合わせは、日本クロッケー協会(TEL045・563・9855、http://www.croquet.jp)。